はじめに

コア・サテライトで組み立てる10年の資産形成

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私は、これから10年の資産形成では、コア・サテライトという考え方がより使いやすくなると思っています。コアは、世界経済や企業利益の成長を長期で取り込む部分です。サテライトは、市場平均より高い成長が期待できるテーマや個別企業を狙う部分です。

たとえば、コアに全世界株式や先進国株式、米国株、日本株、債券などを置き、サテライトでAI、半導体、電力、サイバーセキュリティ、防衛、インドなどを研究する方法があります。

ただし、重要なのは比率です。サテライトが失敗しても、資産形成そのものが壊れないことが大切です。テーマ投資には大きなリターンの可能性がありますが、テーマが正しくても買値を間違えることがあります。

コアで市場全体の成長を受け取りながら、サテライトで自分の分析力を使う。これが、今後の個人投資家にとって続けやすい形の一つだと思います。

長期投資で成功する人というと、将来の10倍株を見抜く人を想像するかもしれません。実際の資産形成では、それだけではありません。決算を理解する。事業の仕組みを見る。株価ではなく企業価値を見る。過去の買値に執着しない。暴落時にも判断を変えない。投資記録を残す。自分がどの程度の含み損に耐えられるのかを知る。

こうした地味なことの積み重ねの方が、10年という時間では効いてきます。派手な投資センスよりも、知識、継続、そして自分のリスク許容度を知ること。この3つの方が長期投資では再現性があります。長期投資では、大きく勝つこと以上に、長く市場に残ることが重要です。

10年後から逆算して今日からできること

個人投資家が今日からできることは、意外とシンプルです。

まず、自分の資産を見える化することです。現金、投資信託、株式、債券、保険、不動産、事業資金、年金見込み、負債を一覧にします。

次に、10年後にいくらにしたいのかを決めます。そのうえで、毎年いくら投資に回せるかを決めます。資産形成では、利回りよりも入金力の方がコントロールしやすいからです。年利10%を狙うより、年間投資額を50万円増やす方が現実的な人も多いはずです。

その後、NISAを中心にコア資産を積み立てます。全世界株式、S&P500、先進国株式、日本株、債券、金など、自分が10年持てるものを選びます。サテライトでは、AI、半導体、電力、サイバーセキュリティ、防衛、インド、高配当株などを研究します。

ただし、サテライトはあくまで補助です。夢を持ちながらも、資産全体を壊さない比率に抑えることが重要です。

そして、年に1~2回程度は資産配分を確認します。上がりすぎた資産があれば一部を調整し、下がっている資産や現金に回す。これによって、自然に高くなったものを減らし、相対的に安くなったものを増やす仕組みを作ることができます。

10年で資産を倍にするという目標は、単なる投資目標ではありません。資産形成は、収入、仕事、健康、家族、住まい、時間の使い方ともつながっています。投資利回りだけでなく、自分の稼ぐ力を高め、投資に回せる資金を増やすことも重要です。そう考えると、自分自身への投資も資産形成の一部といえます。

72の法則から見える「長期・積立・分散」のアップデート

72の法則で考えると、10年で資産を倍にするには年7%前後の複利リターンが必要です。しかし、大切なのは、その利回りを一つの商品だけで狙うことではありません。株式、債券、金、外貨資産などを組み合わせ、NISAの非課税メリットや入金力も含めて資産全体を設計することです。

一つの資産、一つの国、一つのテーマにすべてを賭けない。運用だけでなく、入金力や時間も味方につける。私は、これがこれからの「長期・積立・分散」のアップデートだと考えています。

72の法則から見えてくるのは、「何を買えば2倍になるか」ではありません。10年後の自分から逆算して、今どんな仕組みを作るか。その視点を持つことで、72というシンプルな数字が、実際の資産形成に使える数字になってくるのではないでしょうか。

この記事が皆様の投資の参考に少しでもなれば幸いです。

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