はじめに

結婚相談所において「子供が欲しいので若い女性で」という男性が後を絶ちません。「若い」というのは35歳以下、もしくは20代を指すようです。

30代男性であればまだ驚かないものの、40代、50代男性からであっても普通に耳にする希望であり、かなりレアケースでは70代の若妻希望男性もいるようです。

実は少数派ですが(空気を読んであえて口に出さない人が多いだけかもしれませんが)、女性にも若いパートナー希望者は散見されます。40代女性で、「同じ40代男性は30代女性を希望する方が多い、50代男性も視野に」というアドバイスを聞き、「では20代に申し込んでみます、ダメなら登録やめます」といったケースは実際に存在します。

できることなら希望をかなえたいと思うのは皆同じです。そこを否定するつもりはありません。しかし、せっかくこの「結婚難民の羅針盤」シリーズに目が止まった読者の皆さんために、今回は若いパートナーを獲るための「統計的に見てかなり近道」と考えられる方法を、筆者のデータ分析結果の一部を用いて示してみたいと思います。


初婚マーケットにおける年の差婚の状況

同じ結婚でも、役所に提出される婚姻届を国は把握パターンとして大きく4パターンに分けて集計しています。(1)初婚同士、(2)再婚夫・初婚妻、(3)再婚妻・初婚夫、(4)再婚同士、の4つです。

このうち全婚姻の75%を占めているのが(1)の初婚同士の結婚です。まずはこの75%を占めている結婚で、どの程度の年の差結婚が発生しているのかを確認してみましょう。

初婚同士の平均の年の差は1.7歳です。たとえば学生時代、同じ学校であれば同時期に在学している同窓の年齢差です。また職場であれば、直接指導してくれる先輩・後輩といった年齢差となっています。

平均年齢差1.7歳と聞くと、「それはあくまで平均の話。いろんな年齢差のある中のプラスマイナスの結果の平均ではないか」という議論が出てきます。そこで、次に分散(年齢差の広がり)を見てみたいと思います。

7歳以上の年の差婚は早慶以上の難易度

妻または夫が1歳上の「1歳差カップル」が最も多く23%、次に「同年齢カップル」が21%です。どちらかが2歳上の「2歳差カップル」も14%を占めており、同年齢から2歳差までの年齢の近いカップルが58%を占めます。これに「3歳差カップル」を加えると68%となり、10組に7組が3歳差までカップルとなります(下図)。

「3歳差までカップル」は、中学・高校において同時期に在籍することがあるカップルとなります。同じ青春時代・思春期を共有していた男女が10組に7組、といえるでしょう。そう考えると、ライフコースの流れとしてはごく自然なカップリングともいえます。

国のオープンデータからは「妻が4歳以上」で年上妻結婚が1つのカテゴリーにまとめられていますので、そこから上の詳細な男女合計のバラつきはわかりません。しかし、男女別に「妻が4歳以上上」と「夫が4~6歳上」を前出の「3歳差までカップル」に合わせると89%です。

結婚相談所で見受けられる「若い妻が欲しい」初婚男性は、国のオープンデータでカテゴリー化されている残りの「夫が7歳以上年上のグループ」11%(10組に1組)を目標とすることになります。7歳以上の年の差は小学校でも重なることがない、という年齢差になります。

11%という割合ですが、これは統計的にはなかなかの難関です。実は、同じ2015年でみると、MARCHの一角、明治大学の合格率は25%です。同じく慶応義塾大学は24%、早稲田大学は17%。競争参入仲間の水準問題があるとはいえ、それにしても、11%に入るというのはかなり難関であることがわかります。

2015年の(1)初婚同士の結婚で、7歳以上年下の若い初婚妻を獲た初婚男性が10組に1組いた、と聞くと「目指せるんじゃないか!?」と思う人もいるかもしれませんが、早慶レベルの大学の合格率より低い確率、ということは理解しておいたほうが良さそうです。

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