はじめに

5割以上の人がこだわる条件とは?

筆者は愛媛県における地域結婚支援のデータ分析の委員をしています。今回使用するデータは、結婚を希望し同県の法人会が運営する地域結婚支援センターに登録している独身男女の「お相手へのこだわり登録条件」の分析結果(2016年)になります。

センターに登録する際に「相手に対してこだわること」を登録でき、そのこだわりの条件同士がより多くマッチングしている相手がお相手検索画面の上位に来る仕組みになっています。こだわりのアンケート結果ではなく、実際に相手とのマッチングを目指して登録者が選択している項目ですので、かなり真剣に厳選された結果ともいえます。

上表は男女とも約5割以上の登録者が「こだわる」と回答している項目を抽出しています。これをみると、どういう戦略がブルーオーシャン婚活になりやすいかがわかります。より上位にある項目をこだわらない人ほど、血みどろの戦いに挑戦しなくて済むということになります。

どんな条件が狙い目なのか

まず男性について、ブルーオーシャン戦略を考えてみます。

相手の女性に子供がいること、女性の年齢(若い女性万歳)、女性がたばこを吸うこと、これらにこだわらなければ、相当に有利な戦いになります。それだけで7割以上の競争相手の男性が、相手探しの前線から離脱してくれるからです(該当女性とのマッチング度合いが低下して、その女性の検索結果が自分の見ている画面上の位置より、競争相手の画面上で下に来るため)。

また、婿養子、住む場所にこだわらなければ、これも6割の競争相手が脱落してくれます。親との同居、離婚経験、すぐの同居を必須、といった条件も、こだわらなければ半分の男性が脱落してくれるのです。

次に女性についてのブルーオーシャン戦略を見てみます。

相手の年齢(人気のある年齢ゾーンを狙うこと)、連れ子、親との同居、に関してこだわらなければ、7割の女性が前線からは脱落してくれますので、3割の女性の中で「該当する彼」を見つけてアプローチするので、少数の戦いになってきます。

結婚後のすぐの同居、離婚歴、タバコ、学歴(大卒がいいなど)にこだわらなければ、6割の女性が戦線離脱します。年収や婿養子希望にこだわらなければ、5割の女性に対して有利になります。

以上の何割離脱する、はあくまでも1項目についてです。ですので、これらの中で複数譲れるならば、相当に有利な争いになることがわかると思います。

離婚理由の1位が示唆するもの

いずれにしても、「良い人がいなくて」「良い人が来なくて」「良い人からは返事が来なくて」と嘆いている男女はレッドオーシャンで戦っている状態ですので、せめて7割以上の同性がこだわっている項目については、大きく見直すことを強くおすすめします。データからも血みどろの婚活から抜け出せる可能性が格段に上がることが示唆されています。

司法統計における離婚理由のダントツのトップは、男女とも毎年「性格の不一致」です。

今回見たデータで7割以上もの人がこだわるとしている「子供の有無」「年齢」「たばこ」「親との同居」「婿養子」は、その人との性格の相性を見るうえで本筋の条件かどうかは不明です。むしろ直感的には、直接関係しない感じがします。

そんな「良い人」条件にこだわるよりも、まずは相手に会ってみて、
 「いろいろなことをざっくばらんに話し合えるか(話し合える関係に持ち込めそうか)」
 「話し合う姿勢はどうか(話し合いを重視できる人か)」
 「話の内容に嫌だと思う傾向・方向性がないか」
を確認するほうが、よほど大切であることを離婚統計は示しているのではないでしょうか。

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