はじめに
40代の独身男性は、さまざな人生経験をし、経済的にも、仕事やプライベートでも少し余裕があるようなイメージもあるかもしれません。お金の使い方は人それぞれですが、今後を意識した使い方をすることでムダな出費を減らし、貯金や老後への資金作りを考えている機会になるのではないでしょうか。
今回は、東京で暮らしている40代独身男性の場合、年収や貯蓄額、生活費についてみてみましょう。
東京都の男性の平均年収
東京都の男性の平均年収は40~44歳は約534万円、45~49歳は約588万円。
「2018年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)」から、企業に勤務している会社員の賃金を知ることができます。調査によると、賃金は企業規模によって違いがあり、また年齢による傾向があります。
企業規模は中小企業より大企業のほうが賃金は高くなっていますが、企業全体の平均月収は、40~44歳で35万8700円、45~49歳で39万4900円です。
年齢では、50~59歳が賃金のピークとなりますが、いわゆる役職定年を迎えた年齢である60歳からは、賃金がグッと減っていることがわかります。それでも、65歳以降、さらには70歳以降も働き続ける人も少なくないようです。
さて、東京都の賃金は全国平均と比べて高水準です。同調査によれば、東京都の賃金は全国平均の1.24倍と全国1位の高水準になっています。全国水準よりも高水準の都府県は、以下神奈川県、大阪府、愛知県と続きます。
東京都の平均年収が全国平均の1.24倍とすると、40~44歳男性では約534万円、45~49歳では約588万円になります。月の手取りにすると、40~44歳男性で約35万6000円、45~49歳で約39万2000円になります。ゆとりのある独身生活を楽しめる金額といえそうですね。
貯蓄は1カ月6万5133円
実際、40代独身男性はどのようなことにお金を使っているのでしょうか。
NTTコム リサーチ調査結果によれば、40代独身男性は貯蓄を1カ月6万5133円しているという結果でした。この調査は、2018年6月25~26日にインターネットを通じて男女2006名を対象に行われた、「消費者の自由裁量所得と使途の状況に関する調査」です。
自由裁量所得、つまりお小遣いのことですが、全般的に独身のほうが同居者のいる人よりもお金を使っているようです。そして、貯蓄は月2万円ほど多くしていました。
貯蓄は、目的ごとに貯めておくと計画的に使うことができます。たとえば、年に一度の海外旅行、自動車の買い替え、老後資金といった目的があるなら、まとめて貯めているのはあまり効果的とはいえません。
旅行は1年以内、自動車は数年後、老後資金は20年くらい先に使う資金ですから、貯める方法も変えておくのがおすすめ。貯蓄をまとめておくと、「貯蓄ならしている」と安心して実は老後資金は足りなかった、という結果になりかねません。
貯め方の例を挙げてみましょう。
◆旅行資金は、旅行会社の旅行積立を利用する。旅行積立は現金化ができないので、旅行資金限定で使える分だけを貯めていく。
◆自動車の買い替え資金は、投資信託で運用する。資金を大きく増やせたら自動車のグレードを上げられる。
◆老後資金はiDeCo(=イデコ、個人型確定拠出年金)を利用する。掛け金は月5000円からで、全額所得控除になるので節税にもなる。
40代は、親の介護に直面する人も増えてきます。いざという時に慌てないよう、資金の準備とともに、今後のライフプランを考えておきましょう。
次は1ヵ月の平均の生活費をみてみましょう。