はじめに

強烈なプラスアルファを追求

今年の4月、量産FF車としての最速タイムにルノー・メガーヌR.S.トロフィーをさらにチューニングした「トロフィーR」が挑み、7分40秒100をたたき出しました。それまでホンダ・シビックTYPE Rの7分43秒80とされていますから、コースが2016年以降に改修を受けたとはいえ、市販量産車としてのFF最速を塗り替えたということになります。

そして今回の主役、ルノー・メガーヌR.S.トロフィーですが、市販車とはいえ、これまた特別なクルマです。R.S.(RENAULT SPORT) の名を持つクルマが、サーキットでも公道でも輝きを放つ理由はそこにあります。R.S.のエンブレムはルノーのモータースポーツ活動の中心を担う「ルノー・スポール」が手掛けている証で、F1テクノロジーや情熱などが余すことなく注入されたモデルなのです。ルノーには他にもR.S.の称号が与えられているクルマがありますが、当然のように モータースポーツのDNAが生かされた一級品のスポーツカーといえるワケですが、さらに勝者の証、頂点に立つという意味の「トロフィー」と名付けられているのですから、特別中の特別。ルノー・スポール最高峰のパフォーマンスを実現したモデルとなるわけです。

フロントフェンダーのエアアウトレットは、ホイールハウス内とエンジンルーム内の熱の排出効果を高める

通常でも切れ味鋭いR.S.をさらに研ぎ澄ました特別な存在ですから、さぞかし見た目も凄いかと思いますが、意外なほどさりげない外観です。ごく普通のハッチバックモデルとぱっと見は変わりがないかもしれません。それでもボディにはエアロパーツがさりげなく、足下にはブレンボの赤いキャリパーがとか、見る人が見れば“ただ者ではない感”が散りばめられています。

スポーツモードにセットすると迫力あるエンジン音が響き渡る

ところがボディの骨格であるシャシもサスペンションも、そして1.8リットルの直列4気筒ターボエンジンも、R.S.よりも21PSアップの300PSとなっている特別モデルです。サスペンションなどにも徹底的に手が入っています。ノーマルのR.S.が448万1千円ですが、トロフィーは2ペダルのモデルで499万円、その差は約50万円です。果たしてその差は適正なのか、お買い得なのか試すためにサーキットへと乗り出しました。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介