昨年、世界的に注目を浴びた人物として、地球温暖化阻止を訴える若者らによる世界的運動に火を付けたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの名前を挙げる人も多いのではないでしょうか。

二酸化炭素(CO2)排出を嫌い、飛行機に乗ることを拒否しているグレタさん。昨年11月の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)開催国が南米のチリから欧州のスペインに急遽変更されたため、チリに向かうために滞在していた米西部から陸路とヨットで欧州に戻ったことでも大きな注目を集めました。


仏・独で短距離便が増税

欧州の環境意識の高い国では、飛行機の利用を控えようという動きがじわじわと広がり始めています。グレタさんの出身国、スウェーデンでは「飛行機に乗るのは恥」という意味で「flygskam」という言葉が生まれており、日本ではかつて流行したドラマのタイトルに引っ掛け「飛び恥」と訳されています。

大陸間の移動ですら飛行機を拒否するグレタさんは極端な例ですが、欧州圏内で鉄道でも移動可能な短距離移動に飛行機を利用することは、「恥ずかしいこと」だとするムードができつつあります。この流れが加速すると欧州を旅する日本人にも、確実に影響が出てきます。

すでに、各国政府や航空会社も航空機の排出するCO2を減らす働きかけを初めています。フランス政府は今年から、自国発の航空券を対象に1.5~18ユーロ(約180~2,170円)を課税することを決めました。ドイツも4月から国内線やEU圏内の短距離便に対して8割近い増税をして、短距離の航空機利用を抑制しようとしています。

1値上がり前と値上がり後の比較例

日本から欧州各都市を旅行する際、パリやフランクフルトといったハブ空港で短距離便に乗り換えて目的地に向かった経験がある方も多いと思いますが、この2国を経由する航空券は今年から割高になってしまいます。かつては格安航空会社(LCC)が発達して便利だった欧州の空の旅は、不便で高いものになってしまいそうです。

「グレタ税」は国内線やEU圏内の短距離便が対象になるので、乗り継ぎ地を香港やイスタンブール、ドバイなど欧州の外にするのもひとつの作戦です。