はじめに

いまの彼女が思うこと

夢をもたなかった女性が初めて抱いた夢だったのです。その後も彼女は、男に入れあげながら仕事を続けていましたが、3年ほど前、なぜか突然、ペットショップを開店しました。妹さんが社長ですが、実質的にはチアキさんがお店に詰めて犬や猫のめんどうをみています。

「水商売に飽きたわけではないんですが、昔から動物が大好きだったから、妹がやるなら私も手伝うと言っただけ。でも犬や猫はいいですね。裏切らないから」

そう言って彼女はハッとしたように目を見開きました。

「私、少し男性に懲りているのかもしれませんね。自分ではそう思ったことはなかったけど」


なんの後悔もなく人生を淡々と振り返っていた彼女ですが、どうやら思うところがあったようです。彼女はこれまで知り合ったりつきあったりした男性のことをまったく悪く言いませんでした。自分が損をしても、それは自分の責任だと本能的に思っているようです。だからこそ、彼女のある意味ワケのわからない人生を聞いていても不快な気持ちにはなりませんでした。お金持ちの家に生まれたら、こういう生き方もあるのかと思えたのです。

この先、どんな人生を送っていくのか見守っていきたい女性です。

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