はじめに

中身も見た目も、さらに名前まで一新し、ハイブリッド車とガソリンエンジン車の2本立てで登場してきたトヨタのヤリス。中でもハイブリッドモデルの36km/Lという燃費性能は話題ですが、新しいヤリスの魅力はそれだけでしょうか? 


スポーティな乗り心地

最初に断っておきますが、この新型ヤリスは、これまで販売されてきたヴィッツです。もし名前を変更しなければ、日本では“4代目ヴィッツ登場”という見出しが躍っていたと思います。それではヤリスとは? これは1999年に世界戦略車として初代モデルがデビューしたヴィッツの海外名なんです。

つまり今回の4代目モデルへのモデルチェンジをきっかけにグローバルな車名に統一されたわけです。ちなみにヤリス(Yaris)ですが、ギリシャ神話の美の女神、カリス(Charites)の単数形(Charis)に由来する造語です。英語のVivid(鮮やかな)とドイツ語のWitz(機知)を合わせた造語のヴィッツと、どちらが好みですか? なんでも日本ではヤリスという語感が“あまりいいイメージに繋がらない”ということで、避けられてきたようです。

さて車名まで一新してデビューしてきたヤリスですが、昨年の10月に行われた事前の披露会では「小さくても上質なクルマ」を目指したと言っていました。いったいどこが上質でしょうか? じっくりと過ごしてみて、じっくりと探してみようと、町に乗り出しました。

リアフェンダーからリアバンパーに掛けてふくよかな膨らみがありグラマラス。踏ん張り感、安定感を感じさせます。

借り出したのは燃費のいいハイブリッドモデルの中からZというグレードです。そのWLTCモードの燃費は35.4km/Lで、ベーシックなモデルより少し燃費では落ちます。さっそく走り出して、すぐに感じた事があります。それは思いの外スポーティということです。

今回のヤリスは徹底して軽量化にこだわりました。1090kg(ハイブリッド Z)という車重は、ライバルのホンダ・フィットやマツダ2に比べて50kg程度軽いのです。これはコンパクトなクルマにとってはなかなか大きな軽量差なんです。フィットやマツダ2でも十分に軽さを感じるのですが、ヤリスはさらに走りが軽快で軽く感じます。

ハイブリッドならではのモーターのアシストのお陰もあり、スタートダッシュが鋭くて、そこからアクセルを踏み込んでいくとグングンと加速していきます。走行モードは「ノーマル」、「パワー(スポーツ)」、「エコ」といった3つの走行モードから選択できるのでが、これが「ノーマル」を選んでの走りだったのです。どの速度域からでもキッチリと加速しいきますし、コンパクトなクルマらしく軽快感があり、十分に走りを楽しめるフィーリングなんです。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介