はじめに

走行モードを切り替えて

そんな軽快な走りに気をよくして、次は「パワー」をセレクトして、スポーティな走りをしてみました。すると、当然のように加速に鋭さがさらに加わってきます。この走りの味は高速道路より、ワインディングや郊外、そして市街地などをキビキビと駆け抜ける際には、とても好感の持てるフィールです。

どんどん気分が上がっていきます。ボディがコンパクトで、さらに軽い。これはクルマにとって重要な“性能”であり、上質感にも通じます。あまりの走りの楽しさのお陰で、危うくエコドライブのチェックを忘れそうになるほど走り込んでいましたが、ちょっぴりクールダウンです。

大きめのシートで上体のホールド感も良好です。

そこで「エコモード」をセレクトして、30km/L台半ばというトップクラスの燃費データを目指して、エコドライブに徹して大人しく走ってみました。実はクルマをチェックする場合ですが、飛ばしているときより、ゆったりと静かに走っているときの方が基本的な出来の良し悪しが見えてきます。路面からの情報もあれば、路面の凸凹の乗り越え方とかエンジンや車外からの騒音の程度とか、色々と細かなことが見えてくるのです。

そこで感じたことは、小さな段差や洗濯板状の細かな凸凹、マンホールの凹みや路面のうねりなどを通過するとき、少しだけコツンコツンという衝撃を感じました。ストレスになるわけではありませんが、しなやかな吸収力があるといいなぁと感じます。新しく開発されたサスペンションは、スポーティな走りになるほど好印象となっていくのですが、ゆっくり走ったときにはちょっぴり堅さがあるという印象でした。

上下2段の分割デザインに安っぽさがありません。

スポーティな味わいは実に気持ちよく走行できるのですが、かといって最良の妥協点でもない、このバランスの取り方が難しいと感じました。そして車内の騒音に関してですが、EVモード以外はそれほどライバルに対してアドバンテージを感じませんでした。だからと言ってこちらもストレスを感じるほどのこともなく、快適空間になっていたと思います。

この軽くてパワフルなスポーティ感を実現しているのは、やはりトヨタの新世代プラットフォームの出来の良さもあっての話なのだと納得した次第です。スポーティで軽快なサスペンションのセッティングと高い剛性感を実現したボディですが、そのバランスはもう少しだけ快適さに振ると、さらに好印象の乗り心地になったと思います。そんな印象を抱いたところで撮影に入りました。

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