はじめに
穏やかな加速とソフトな乗り心地
アイポイントが高くなり、見切りが良くなったシートポジション
ワイルド感を手に入れた外観をチェックしながら、ドライバーズシートに座りました。ここからの眺めはアイポイントの高さ以外はAクラスと大きく変わりません。特徴的な薄型のワイドスクリーンを横に二つ並べたダッシュボードはすっかり見慣れたデザインです。もちろんタービン型のエアコンの吹き出し口も変わらず装備され、対話型インフォテインメントシステムである“メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス(MBUX)”もしっかりとあります。
エンジンをスタートさせます。今回は2Lのディーゼルエンジンモデルのみの展開となります。最高出力150馬力、最大トルク320N・mというディーゼルターボです。アイドリング時のエンジン音も気になることはなく、住宅街でも許容範囲でしょう。走り出すとその操作感覚はAクラスと同じ、と思いきや、やはりアイポイントが高くなったことによる見切りの良さの向上は十分に感じ取ることができます。そのためボディが小さく感じるので、混雑した市街地走行でもストレスはかなり減ります。
急激なトルク上昇もなく、とても自然でソフトで使いやすいディーゼルエンジン
さらに印象深かったのはアクセルを踏み込んだ初期のフィーリングです。いきなりトルクがガツン立ち上がるタイプではなく、ソフトにトルクが出てくる感じで、アクセルの踏み込み量に応じて、とても穏やかに加速していくのです。そのスムーズで穏やかな加速は8速のデュアルクラッチ式ATによるところもあります。
そしてサスペンションはストローク感をしっかりと感じるセッティングで、当たりも乗り心地もソフト。残念ながら今回のテストではオフロードを走る機会はなく、4WDの走りも含めて試すことはできませんでした。ただ、この安心感のある穏やかな乗り心地は最低地上高200mmを確保した4WDだから実現できたものでしょう。この点において確実に旧型を超えていますし、オフロードでのパフォーマンスもかなり高くなっていることは容易に想像が付きます。