はじめに
離婚後、子供の戸籍をどうするか
離婚すると、結婚する時に姓を変えた者が戸籍を抜けることになります。つまり、多くの場合は、子供の母親が戸籍を抜けることになるでしょう。
その結果、「父親・母親・子供は一つの戸籍」だったものが、離婚後には「父親・子供はそのままの戸籍、そして母親が新しい戸籍」へと変化します。
母親と子供の戸籍を一緒にしたい場合は、家庭裁判所で「子の氏の変更」申立ての手続きが必要となります。
子供が15歳以上の場合は、子が自ら手続きを取るかたちになります。
子が15歳未満の場合は、法定代理人として親権者が手続きをします。手続き後「子の氏の変更許可」の謄本が届きますので、市役所で「入籍届」を提出します。
ただ、必ずしも子供を養育者の戸籍に入れないといけないというものではないので、母親が子供を養育している場合でも、子の戸籍は父親と一緒ままというご家庭もあります。
児童扶養手当の手続きの流れ
もうひとつ、必ず手続きを忘れないようにしたいのが「児童扶養手当」です。
児童扶養手当は、子供の養育者に支給されます。期間は、子供が18歳になる年度末(高校卒業)まで。
児童扶養手当の手続きと受給については以下のようになります。
1.市役所で離婚届を提出
2.児童扶養手当の申請
3.その翌月から児童扶養手当の受給資格あり
4.児童扶養手当の振込(毎年4月、8月、12月)
ここでの注意点は、受給資格は手続きした翌月からということです。
つまり、離婚届を出すタイミングが月末となった場合は、その月の間にすぐ申請しましょう。ただし申請するにも書類などの用意が必要ですので、離婚前から、書類を準備しておくことスムーズに手続きができます。
■ 「児童扶養手当」申請時に必要な書類
・児童扶養手当認定請求書
・戸籍謄本(母)
・戸籍謄本(子)
・住民票(母・子)
・振込先通帳
・印鑑
※18歳未満の子を母親が養育する場合。各自治体によって手続き・必要書類は違ってきます。
必要な書類や申請法は自治体によって違いがありますので、必ずお住いの自治体に確認しましょう。
また「離婚届」「児童扶養手当」以外にも自治体でまとめて手続きするとよいものとしては、「ひとり親医療費助成」「住民票の移動」「児童手当の受取人変更」などがあります。書類に漏れがないように持参物などは事前にチェックを行ってください。
離婚後の保険はどうする?
子供や家族のために加入していた保険がある人も多いと思います。その場合は、どのような手続きが必要なのでしょうか。
保険については、離婚時に話し合った取り決めの結果によりますが、よくあるご質問はこのようなもの。
「学資保険はどうしたらよいですか?」
一般的に学資保険は離婚時の財産分与の対象となります。
財産分与の話し合いの結果、母親が子供を養育し、学資保険を支払っていくという整理になったとしましょう。その場合は、契約者を母親にし、学資保険の満期の受取人も母親にします。保険契約者については加入している保険会社に連絡をして変更手続きをしてください。
「生命保険の受取人は変えたほうがいいの?」
結婚時の、生命保険の受取人は配偶者になっている場合が多いですが、離婚した場合はどのように手続きをすればよいのでしょうか?
離婚した場合は、父親・母親が加入している生命保険の受取人を子供に変更することもできます。ただし、子供が未成年の場合は、親権者に手続きをすることになります。そのため子供が未成年の場合は、生命保険の契約者の両親を受取人とするご家庭もあります。
さて今回は子連れ離婚時の主な手続きについてご紹介しました。記載した意外にも、引っ越しに伴う住所変更や姓の変更が発生した場合は、銀行・光熱費・カードなどの変更手続きが必要となります。
離婚時には心身ともに疲れている場合もあり、一度にたくさんの手続きを行うのは大変です。まずは必要な事項を書き出して忘れないように確認し、優先順位をつけたうえで、体に無理のない範囲で作業を進めていきましょうね。