はじめに

インテリアにもカーボン素材が

ベース車両のレンジローバー・スポーツSVRに搭載される5リッターのV型8気筒エンジンは575馬力を発揮します。もはやこれほどのパフォーマンスがあれば「軽量化なんて」と、元も子もないことを考えながら、乗り込みます。ところがここで、走らせる前にもうひとつの魅力に心がやられます。レンジローバーのラインナップ、とくに上級モデルのインテリアと言えば、独特の上質感をもって乗る人に迫ってきます。「やはり英国車の伝統はいまだ健在」といえるほど魅力的なキャビンに誰もがレンジローバーの伝統の技を感じます。スイッチもカーボンパネルもレザーも、すべての手触りがしっとりとしているのです。

華やかさと気品を両立したランドローバー伝統のインテリア

さらに上手いなと感じるのは各素材の使い分けとレイアウトが絶妙といえます。どのパーツも他のパーツをじゃましないというか、計算された配置によってスーパースポーツでありながら、気品のようなものさえ感じるのです。

もちろんカーボン仕様ですから、インテリアにもカーボン素材が使われていますが、それをことさらにひけらかすようなこともありません。ちょうどいい塩梅(あんばい)で自己主張しながら、室内の雰囲気を盛り立てているのです。レザーの香りもいい、どこをとっても手触りはしっとり、緻密な作り込みのスイッチの操作感の優しさなど、これが本当のプレミアムと表現したくなる気品あるキャビンにやられてしまうのです。

センターコンソールにもカーボンがしっかりと装備されています

ひょっとすると575馬力という高出力も、このキャビンのお陰で「試さなくてもいいや」などと、思ってしまいそうになるのです。でも、そんなほんわかした気分もエンジンをスタートさせ、後方から低重音のエンジン・サウンドが聞こえてくると、ちょっぴりやる気になってきます。

座った途端に体を包み込むようにフィットするバケット・シートは、SUVのシートと言うより、フェラーリやポルシェ、ランボルギーニあたりの車高の低いスーパースポーツに装備されていても似合いそうです。ところがフロントウインドから前方を見ると目線がずいぶんと高い。ここで体にメモリーされている、スポーツカーとは少し違った風景が広がります。

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