はじめに
ユニークな子育て支援企業が増えてきた
行政サイドの取り組みが最も重要であることは言うまでもありませんが、注目したいのは民間企業においても様々な形で子育て支援に貢献する企業が増えてきたことです。独自の強みを生かしながら子育て支援で社会に貢献できる企業は、今が旬の「国策企業」として株式市場における注目度も高まっていくものと思われます。
例えば、昨年12月に東証1部に上場したポピンズホールディングス(7358)。働く女性の支援を目指して保育事業などを展開していますが、単に預かるだけでなく、躾や情操教育まで面倒を見る「ナニー」の派遣など、質にこだわった在宅サービスと施設型の保育事業が特徴です。今は、圧倒的に保育所が足りませんが、やがて保育所が余ってきたときに、その質の高さが競争力を発揮するでしょう。
また、“人を活かす”をモットーとして、総合人材サービスを主力に、保育園や学童など子育て支援サービスや介護関連サービスを展開するライク(2462)も活躍が期待できそうです。
他にも、妊娠育児中の女性をITツールで支援するカラダノート(4014)や、SNS時代の妊娠・出産・育児をITサービスで支援するベビーカレンダー(7363)などは、最新の情報技術を活用して女性を心身両面からサポートします。
子育て支援は国策、関連企業の活躍に期待
これらの企業が社会的なニーズに応えながら業容を拡大し、そして株式市場での評価が高まっていけば、それは日本において経済や政治の分野でも女性が活躍できる素地が整いつつあることの証となるでしょう。
現在、「こども庁」の構想が浮上していることも、子育て支援関連銘柄には追い風になりそうです。
多くの日本企業がグローバルな舞台で輝きを取り戻し、日本経済新たな成長ステージに進むには、ジェンダー・ギャップの解消によって女性が存分に能力を発揮するなど、多様性の確保が求められます。
社会を変える可能性を秘めた「子育て支援銘柄」に注目です。
<文:投資調査部 有沢正一>