はじめに

身近なデータから見る景況感

7月家計調査で、もやし購入金額は73円、前年比▲15.1%です。2018年8月の72円以来の低水準になりました。節約料理に使用されることが多い、もやしの購入金額の減少は、人々の消費面の落ち着きを示唆しているようです。

大相撲秋場所の懸賞本数は事前申込段階で1,519本です。部屋の力士に新型コロナ感染者が出た宮城野部屋に所属する横綱白鵬は休場ですが、秋場所では、大関から怪我・病気で一時は序二段48枚目まで番付を下げた照ノ富士が新横綱となって土俵に上がっています。

事前申込段階の懸賞本数が多めなので、コロナ禍で最高だった今年初場所の1,270本を抜く可能性が高い状況です。秋場所初日〈9月13日〉の結びの一番で照ノ富士が手にした懸賞は29本で、先場所初日の結びの白鵬の取り組みの13本を上回りました。また先場所初日で最多だった、照ノ富士の取り組みに懸かった24本も上回りました。

7月の金融機関店舗強盗件数は今年2度目の0件で、1~7月合計は7件になりました。年間11件と過去最低だった2020年の1~7月合計と同じです。5年ごとの1年当たり平均値は、リーマンショックを含む2006年~10年の105件、2011年~15年の40件、2016年~20年の19件です。こうした数字と比べると低水準です。生活苦で思わず金融機関に強盗に入る人は少ないようです。

JRA(日本中央競馬会)の2020年の売得金は前年比+3.5%でネットでの馬券購入が健闘して9年連続増となりました。2021年も9月5日現在+4.9%の増加で、10年連続増加に向けて順調に推移しています。

菅首相が9月3日に自民党総裁選不出馬を表明しました。当日の日経平均株価は「菅首相、退陣へ」の速報を受けて後場に大きく上昇し前日比584円60銭上昇となりました。9月10日の終値は9月3日から1,253円73銭さらに上昇し30,381円84銭でした。

支持率が下がっていた菅総裁の下で自民党が衆院選で大敗するというシナリオが回避されたことから買われた面があるようです。去る人を大幅上昇で見送るような株式市場の冷酷な面が垣間見られた感じがします。なお、日本で五輪開催された年は総理大臣が交替していますが、今回もジンクス通りの展開となりました。

景気動向指数、直近7月分の一致CIは前月差▲0.1と2カ月ぶりに僅かな下降となったものの、基調判断は「改善」が継続しています。多少のもたつきはあっても、景気の基調が底堅いことを示唆する数字と言えそうです。

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