東京に疲れた人が知っておきたい、地方での可能性を広げる“第3の働き方”
2020年12月に新法成立
「経済的豊かさ」は東京が最下位なのに前回、「東京の「経済的豊かさ」は全国最下位という衝撃 」では、中間世帯にとって、収入だけでなく支出も考慮した「経済的豊かさ」は、東京都は47位、つまり全国最下位であることをお伝えしました。しかし、だからといって、「東京よりも地方が良い」とはならないのが、東京一極集中の難しいところです。地方から東京に人が集まる理由は、東京のほうが魅力的な仕事が多く、余暇やレジャーといった日々の楽しみが充実しているからです。地方に、やりがいのある仕事や、生活のハリや刺激が得られる機会を増やすことが、東京一極集中を解消し、地方創生のためには必要なのです。
東京の「経済的豊かさ」は全国最下位という衝撃
地方から東京に来ると貧しくなる
地方から東京に人が流出している――このことが問題になって20年になります。最近は新型コロナウィルス感染症の流行により、東京から地方へ転出する人が増えているものの、長いレンジでみれば東京一極集中の問題はいまだ解決していません。東京に人が集まる理由は、就職や進学、生活のためなどさまざまですが、中でも仕事の影響は大きく、国土交通省の調査によれば、地方から東京に移住した事情の1位は「希望する職種の仕事が見つからないこと」、2位が「賃金等の待遇の良い仕事が見つからないこと」となっています。最低賃金も、東京は全国平均902円のところ1,013円と47都道府県で一番高く、青森や沖縄など最低賃金が最も低い県(792円)と比べて200円以上も開きがあります。仕事の数が多く、賃金も高い東京に、豊かさを求めて人が集まってくるのです。ところが今年、国交省が衝撃的な分析結果を発表しました。中間層に限れば、東京の経済的豊さはなんと全国最下位だというのです。
昇給は言ったもの勝ち!?給料が上がらない日本で賃金を増やすには
海外では自ら賃上げを求める人が7割以上
前回の記事「日本で30年間も賃金が増えなかったのは誰のせいなのか?」では、いつのまにか日本は賃金の安い国になってしまったことを紹介しました。その背景には、企業が熱心に人件費削減に取り組むなかで、労働者がそれを受け入れざるをえない職場風土の存在がありました。では、これから賃金を上げるために何ができるのでしょうか。今回は国際調査の結果から、新たな賃上げの方法について考えていきます。
日本で30年間も賃金が増えなかったのは誰のせいなのか?
低賃金を悔しくも受け入れてきた労働者たち
新型コロナウイルスによって雇用環境が悪化する以前から、日本では海外諸国と違い30年間も平均賃金が増えていませんでした。その原因は、企業の人件費削減やいわゆる「非正規化」の進展だといわれています。しかし、それだけでは当事者である労働者が「なぜ低賃金を甘受してきたのか」説明がつきません。そこで今回は、これまでに見落とされてきたもうひとつの根本的な原因について考えていきます。