はじめに

「がん保険に入っているから、もしもの時も大丈夫」と安心している方は多いのではないでしょうか。けれど、「上皮内がん」と診断された場合、「給付金が半額」「対象外で支払われない」といったケースがあります。

上皮内がんは、医学的に非常に初期のがんで、治療によって完治が期待できます。ただし、検査や治療に費用はかかり、生活への影響も避けられません。

せっかく保険に加入しているのに、思っていた保障が受けられないことがないように、「がん」と「上皮内がん」の違いと、どのような保障内容を選ぶべきか、具体的に解説します。


上皮内がんとは?

「上皮内がん」とは、体を覆う「上皮」という細胞層の中にとどまる異常細胞を指します。上皮の下にある基底膜を越えておらず、血管やリンパ管に侵入しないため、転移のリスクはほとんどありません。

子宮頸部、乳腺、大腸などで見つかることが多く、検診や内視鏡検査で比較的早期に発見されやすいのが特徴です。治療は、外科手術や内視鏡治療が中心で、放射線や抗がん剤を使うケースは少ないですが、手術や入院が必要になり、仕事や生活に影響が出ることもあります。

保険での扱いの違い

多くのがん保険では、「がん」と「上皮内がん」を区別して取り扱っています。がんは、契約通りの診断一時金が支払われますが、上皮内がんは「半額」「10%のみ」「対象外」となる商品もあります。

たとえば、がん診断一時金が100万円の契約でも、上皮内がんだと50万円、10万円、あるいはゼロの場合もあるわけです。上皮内がんとはいえ、がんと診断されたときの精神的ショックや治療費を考えると、がんと同額の給付が望まれるでしょう。

保険会社が区別している理由は、上皮内がんは転移のリスクが低く、治療も比較的軽度で済むことが多いからです。しかし、実際に診断を受けた方からは「半額の給付金では、治療費や生活費をまかなうのに十分ではなかった」という声が少なくありません。

上皮内がんも同額給付の保険がある

近年では、こうした不満やニーズに応え、がんと上皮内がんを区別せず、同額の一時金を支払う保険が多くなっています。

入院・手術に加え、通院費や交通費、休業による収入減など、がん治療に伴う幅広い費用に充てられるため安心です。特に子宮頸部の上皮内がんは、若い女性に比較的多いため、働きながら治療を続ける世代にとって経済的に大きな支えになります。

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