はじめに
8. 資金管理を徹底し、守りを固める
どれほど優れた投資判断をしても、資金管理を誤れば資産形成は続きません。
損失を限定するルールを設ける、投資額やロットを固定する、分散投資を行う……これらは「攻め」ではなく「守り」に不可欠です。投資と生活費を明確に分けることも重要です。
また、年齢やライフステージに応じて「守り」と「攻め」の割合を調整する必要があります。コアとサテライトに分ける考え方が有効で、たとえば積立投資や高配当株・債券をコアに据え、成長株や海外市場をサテライトとして運用する方法があります。口座を分けて売買ルールも区別すると、より明確になります。
9. 中長期投資家としての姿勢を持つ
中長期で資産を築く投資家に必要なのは「成果を急がない」姿勢です。資産形成は短距離走ではなくフルマラソンのようなもの。途中で焦ったり立ち止まっても、再び歩みを進めれば前進できます。
明確な目標や戦略は大切ですが、その過程で得られる経験や習慣もまた財産です。資産だけでなく、自分自身の判断力や精神的強さもかけがえのない資産となります。
10. 感情に流されないメンタルを養う
相場が上昇すると気持ちが高ぶり、下落すると不安に駆られやすいものですが、資産形成をする上で最も強い武器となるのは、「冷静さを保てる心」です。
投資で失敗する大きな要因は「感情」です。焦りや不安から売買を繰り返せばリターンを損ないます。あらかじめルールを決め、それに沿って淡々と行動することが長期投資の成功につながる秘訣です。自分なりのストレス解消法や心の安定を保つ習慣を持つことも重要です。
利益が出たときに「もっと」と欲張らず、事前に決めていたルールに従って利益確定する勇気。あるいは、損失が広がったときに「戻るはず」と期待せず、淡々と損切りする姿勢。これらは一見小さな違いでも、5年、10年と積み重ねると、資金額に大きな差を生みます。
そんな感情コントロールの工夫として「記録」が役立ちます。売買時の気持ちを残しておけば、後から自分の弱点や傾向を客観的に見直せます。投資はマーケットとの戦いであると同時に、自分自身との戦いでもあるのです。
資産形成は「未来を形づくるプロセス」
資産形成は単なるお金の増減を追う営みではありません。自分の価値観や人生設計を反映させ、未来を形づくるプロセスです。
中長期で資産を築くためには、知識・分析・記録・メンタル・資金管理をバランスよく組み合わせ、日々の行動に落とし込んでいくことが求められます。大変だと思うかもしれませんが、積み重ねた努力と冷静な姿勢は将来の不安を軽減し、資産形成の最大の力となるでしょう。
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