はじめに

金額よりも大切なのは「経験のサイクル」

次に考えたいことは、「お金を通してどんな体験を積ませたいか」という目的設定です。

・欲しいもののために計画的に貯める経験
・衝動買いして後悔する失敗
・使い切って困り、次回まで我慢する体験

この「もらう→使う→後悔する→次は工夫する」という小さなサイクルが、子どものお金の感覚を育てます。

我が家の長男は年長でおこづかいをスタートしました。最初はもらったその日に予算も考えず駄菓子屋さんで全部使い切り、「あれもこれも買いたかった…」と泣いたこともあります。でもその失敗があったからこそ、次からは欲しいものを月初に書きだして「今回はこれにしよう」と選べるようになったのです。

この経験のサイクルを反芻し学ぶためには、「家庭のルール」を親子で決めることが大切です。特に、“我が子に合った”ルール決めが、子どもの継続力と判断力を支える土台になります。

我が家では、スタート時のルールづくりのため「親子おこづかい会議」を開きました。ここで以下のようなことを決めました。

ルール①使い切ったら次回まで我慢
ルール②使い道は自由だが、おこづかい帳などで記録をつけ、振り返りを家族で一緒にする。

あまり親がガチガチに決めると、失敗のチャンスを潰しかねないので注意です。

長女は、使い切ってしまったときの喪失感から、自分で事前に欲しいものリストをつくる工夫をするようになりました。優先順位を考える練習になり、「本当に必要?」と自分に問いかけ決めているようです。

また、ルールを決め、振り返りをする習慣ができると、物を買ってしばらく経った後、客観的に自分の行動を見ることができます。無駄遣いだったのか良い買い物だったのか、自分の浪費基準が分かるようになります。

未来につながる“おこづかい力”

「おこづかいは、いつからいくら渡すか」――正解は一つではありません。むしろ大切なのは「どう育てたいか」という親の姿勢です。

おこづかいは小さなお金だからこそ、安心して失敗できる貴重な教材です。「いくら渡すか」を超えて「どんな力を育てたいか」。その視点があれば、日常のおこづかいが未来への最高の投資になると感じています。

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