はじめに
民間保険の保険料は、毎月同じ金額が引き落とされる方が管理しやすいという理由で、月払いを選ぶ人もいます。しかし、保険料の支払い方法によって、総支払額に大きな差が生じることをご存知でしょうか?具体例を交えながら、その仕組みを解説します。
保険料が安くなる支払い方法とは
保険商品、保険期間などによって、支払い方法はいくつかあります。
・自動車保険
自動車保険のように1年契約が多い商品では、「月払(分割払い)」と「年払(一時払い)」の2通りが主流です。一見「年払いの方が割引される」と思われがちですが、実際は年払いが基本で、月払いは分割手数料(分割係数)がかかるため、トータルでは月払いの方が約5%割高になります。
年払保険料がある程度高額になると、「大口分割」という仕組みを使えることがあります。大口分割が使えると、分割係数がかからない特典があります。
また、複数台をまとめて契約した場合、保険料にかかわらず、大口分割の仕組みを使える保険会社もあるため、事前に調べてみましょう。
・火災保険
火災保険は、1年契約以外に3年や5年など長期契約もできます。この場合、「長期一括払」という方法を選ぶことができます。「長期一括払」は、年払保険料に長期係数をかけて計算します。この長期係数は分割係数と違って、割引が適用される係数ですから、月払いより年払い、年払いより長期一括払いの方が安くなります。資金に余裕があるようでしたら、「長期一括払」を選ぶとお得です。
・生命保険
死亡保障や医療保険など、生命保険は損害保険に比べて保険期間が長い商品が多く、月払いが主流でしょう。損害保険に比べて年払いと月払いの保険料の差は大きくありませんが、やはり年払いの方が割安になります。ボーナス月にまとめて支払いたい場合は、年払いに変更するのも一つの方法でしょう。
また、生命保険には「前納払」という方法もあります。例えば、60歳までに払い終える医療保険(一生涯保障)を契約をする場合、毎月払う保険料を前もって支払う方法です。前納すると、同じ保障内容でも支払総額が少なくて済むというメリットがあります。一度試算してもらい、支払いが可能でしたら、まとめて支払ってしまうのも一つの方法です。
「前納払」は一括払いとは異なり、保険料を保険会社が預かって、毎月保険に充当していく仕組みです。解約時には残期間の保険料が戻るので、使い勝手が良い支払方法です。
その他、保険料をお得にする方法
支払方法とは少し違いますが、保険料をお得にできる方法もあります。
・団体扱いによる割引
勤務先や労働組合などを通じて契約する「団体扱い」では、加入者が多い分、保険会社にとって事務コストが削減できることから、団体割引が効くことがあります。特に省庁や大企業などの団体では、個人で契約するより有利な条件になるケースが少なくありません。転職などの際には、団体で加入できる保険商品がないか必ず確認してみましょう。
・クレジットカード払い
最近は、クレジットカード払いが可能な保険商品が主流となっています。カード払いにすると、毎月の支払額に応じてポイントやマイルが貯まり、現金で払うよりも実質的にお得になる可能性があります。また、利用明細に記録が残るので、管理がしやすいというメリットもあります。