はじめに

銘柄を選ぶときの5つのポイント

利回りはすぐにチェックできる項目ですが、それ以外にどんなポイントをチェックすべきか、5つ挙げていきます。


1. 保有物件の内容
対象不動産がどの地域や立地にあり、どんな用途か、物件の規模や稼働率(空室率)、そして、その組み合わせはどのくらいかを確認しましょう。景気後退時、地震など自然災害を想定して選定してもいいでしょう。

2. 格付けの良さ
格付け機関が第三者の目線で投資法人の財務状況や運用状況を評価したものです。格付けが高いほど債務不履行になるリスクが低いとされています。

3. NAV倍率の低さ
NAV(Net Asset Value)倍率とは、リートの1口当たりの価格が1口当たりの純資産額の何倍かを示す指標で、リートの価格が割安か割高かを判断するための指標です。NAV倍率が低いほど価格が割安とされ、一般的にNAV倍率が1倍以上の場合は割高と見られます。

4. 時価総額の大きさ
時価総額が大きい銘柄は、投資している人が多いため流動性が高く、比較的安定した値動きとなります。

5. 借入金の比率
REITは多くの資金を借り入れて運用します。借入金の比率(LTV:Loan to Value)が高すぎると、金利上昇時にリスクが高まります。


具体的な選別方法としては、投資対象を決めたら不動産投資法人の公式サイトで「決算ハイライト」「ポートフォリオ概要」などのページをまずは読んでみることをお勧めします。また、個別のチャートや東証REIT指数のほか、大手証券会社のREITレポートなどはプロが整理してくれているので、1次資料を全部読む前に概要をつかめます。

株式と同様、上場廃止や倒産などの可能性があることを理解し、選定することが大切です。

REITの購入方法

REITは株式と同じように、証券会社の口座から購入できます。価格も株のように日々動いており、1口数万円からスタート可能です。また、NISA枠でも購入可能です。

REITの個別銘柄だけでなく、指数に連動した上場投資信託(ETF)や投資信託が対象商品です。ETFや投資信託であれば分散効果が得られ、個別のREITを選ぶ手間も少なくなります。その際は、コストも必ず確認しましょう。

また、株式と同様に「元本保証はない」点には注意が必要です。分配金をもらえても、値下がりすれば、トータルで損失となる場合もあります。金利上昇局面では不動産価格の下落や借入コスト増によって、REIT全体の価格が下がることもあるため、分散投資が大切です。

REITは「短期間で値上がりを狙う投資」ではなく、「分配金を受け取りつつ不動産投資をする」タイプの投資です。家計の中で毎年の利息収入のような位置づけで組み込むと、心にも余裕が生まれます。また、株式や債券、投資信託と組み合わせて「バランスよく資産を持つ」ことが、長期的には最もリスクを抑える方法です。

REIT投資の魅力は、手軽に不動産のオーナーになれること。ホテルや商業施設などは実際の施設に行ってみることができるので、不動産オーナーの目線で確認することもできますね。

まずは少額から、信頼できる銘柄で経験を積み、不動産を通じて資産を育てる楽しさを感じてみてください。

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