はじめに
日経平均株価が過去最高値を更新する一方、「自分の株は上がらない」と感じる投資家は少なくありません。その差を生むのは、相場環境よりも“自分の売買ルール”かもしれません。利益を伸ばすためのトレンドフォロー戦略や、パーフェクトオーダーの活用法など、初心者にも実践しやすいポイントを整理します。上昇相場を味方につけるヒントを学びましょう。
日経平均は最高値更新でも、自分の株が上がらない理由
今週は連日で日経平均株価は過去最高値を更新しました。そんななかで「日経平均はこんなに上がっているのに自分の持ち株は上がっていない……」という声も聞かれます。
足元ではTOPIXと日経平均の値動きの差が指摘されるように、一部の銘柄が上がっているといういびつな相場でもありますが、もしかすると原因は、相場そのものではなく「自分の売買ルールや銘柄構成」にあるかもしれません。
利益を伸ばすために見直すべき売買ルール
個人投資家さんで多くみられるのは「利益が出た株はすぐ売る」「含み損の株をずっと持ち続けている」というケース。
これは言い換えれば、上げている銘柄を手放し、手元に残っているのは上がる可能性が低い銘柄という構図になっています。
もし思い当たるのであれば、この流れを断ち切るためには、含み損を塩漬けにせずに定期的に見直す、利益が出ている銘柄を「積極的に手放す」ではなく、トレンドを見て「大きく利益を伸ばす」姿勢を持つ、損切りを早めに、利益確定はしっかり考えて実行するなどの考え方が重要です。
特に「自分はもしこの銘柄を持っていなかったとして、今新規に買いたいと思うか」を、その株を手放すかどうかのポイントとして考えています。
ポートフォリオを「勝ち残る銘柄構成」に変える
このようにポートフォリオ(複数銘柄の集合体)を「勝ち残る銘柄が残る構成」に変えていくことが、利益を伸ばすための出発点と言えます。
利益を伸ばすために有効とされる代表的な方法を、初心者にも分かりやすく段階的に紹介していきましょう。
トレンドフォローを意識した銘柄選びの重要性
まずは銘柄を選ぶ段階でトレンドフォローを意識することです。株価が上昇傾向にある銘柄を初動から捕まえることは、利益を大きく伸ばすための鍵です。
トレンドを掴むための典型的な手法として、移動平均線(MA:Moving Average)の活用があります。
移動平均線とは、一定期間の終値などを平均して線にしたもので、価格のノイズを平滑化して「上昇傾向」「下降傾向」が視覚的に判断しやすくなります。
具体的には、株価が長期の移動平均線を上抜けてきたら「上昇トレンド入り」のサイン、移動平均線自体が上向きであれば「トレンド維持」の可能性が高い、逆に、横ばいや下向きなら「トレンドが出ていない」か「トレンド終了」の可能性がある、というところでしょうか。
たとえば、短期のMA(例:5日)より中期・長期のMA(20日や50日、200日)が上向きで、それを株価が上抜けてきた場合などは注目のタイミングです。
この段階で「上がる可能性のある銘柄を保有」に持っていければ、利益を伸ばす土台ができます。