はじめに

「パーフェクトオーダー」でトレンドを判断する

図

ここまでの内容を整理した上で、「パーフェクトオーダー(Perfect Order)」という手法を紹介します。これは移動平均線を使ったトレンド判断の一つで、利益を伸ばすうえで有力なフィルターとして使えます。

パーフェクトオーダーとは、複数の移動平均線が順序良く整列し、明確なトレンドが出ている状態を指します。

例えば、短期MA > 中期MA > 長期MA といった順で、かつそれらがすべて上向きになっている場合、「強い上昇トレンド」と捉えられます。

逆に、短期MA < 中期MA < 長期MA かつすべて下向きなら「強い下降トレンド」と見るわけです。

この整列(並び)=「オーダー」が“パーフェクト(完全)”であることから、トレンドフォロー派の間では勝ち筋の状況として注目されます。

パーフェクトオーダーを活用する流れ

パーフェクトオーダーを使って銘柄を判断・売買に活かす流れとしては、

1.移動平均線をチャートに出す

例としてですが、私が考える長期で投資をする際に最低限チェックしたいパーフェクトオーダーのルールとしては、日足のローソク足に短期(5日SMA=単純移動平均線)、中期(20日SMA)、長期(50日SMA)を使います。参考として長期(200日SMA)も見ます。もちろん、銘柄や時間軸によって代替も可能ですが、基本的には「複数本のMAによる整列」をチェックします。

2.並びを確認する

上昇トレンドの場合:上から5日SMA、20日SMA > 50日SMAでそれぞれが上向き。
下降トレンドの場合:下から5日SMA、20日SMA > 50日SMAでそれぞれが下向き。
この並びがきれいにできていたらパーフェクトオーダー成立と見なせます。

3.株価の位置も確認する

並びが整っていても、株価が移動平均線より下にあれば「トレンドが出ていない」「上昇期待が薄い」と判断できる場合があります。株価がきちんと移動平均線の上で推移しているかを確認します。

4.エントリーとイグジット

並びが整ったところで、株価が移動平均線を上抜けるタイミングが出たらエントリーを検討。

・保有:並びが維持されている=トレンド継続を示唆。したがって急騰しても慌てて売らず、利益を伸ばす方向で保有。
・利確/損切り:並びが崩れた(たとえば中期MAが長期MAを下回った)場合や、株価が移動平均線を明確に下抜けた場合には「トレンド終了の可能性あり」として売りを検討。特に大きな下落につきあわないためにこれは重要です。

ただ注意点としては、移動平均線は後追い指標(ラグがある)であるため、トレンドが出ていない横ばい相場では頻繁に偽シグナルが出る可能性があります。

また、流動性の低い銘柄ではあまり使えないと考えます。とはいえ、普段チャート分析をせずに売買をされている方には、これを取り入れるだけでもパフォーマンスに差がついてくると思います。

パーフェクトオーダー単独ではなく、業績・需給・マクロ環境・セクター状況などと併せて判断するとより精度が上がります。

こうした運用を通じて「上がる株を手放す」「上がらない株をいつまでも持ち続ける」という逆転現象を防ぎ、利益を伸ばせる構えを作ることができます。

利益を伸ばすための6つのポイントまとめ

まとめると、
・銘柄を選ぶ段階で、トレンドを意識し「上昇傾向が見える銘柄」を選ぶ
・ポートフォリオを「勝ち残る銘柄が残る構成」にしておく
・エントリー・保有・利確/損切りのルールをあらかじめ定めておく
・トレンドの強さ・継続性を確認し、安易に手放さず、また塩漬けを回避
・その判断材料の一つとして、複数本の移動平均線によるパーフェクトオーダーを活用
・ただし、テクニカルだけに頼らず、銘柄の業績・需給・マクロ動向なども併せて見る

この流れを、日々の売買や銘柄の入替え、保有判断の中で意識していくことで、「市場が上がっているのに自分の株だけ上がらない」という状況から脱する手助けになるはずです。この記事が皆様の投資の参考に少しでもなれば幸いです。

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