はじめに

日本のグローバルニッチトップ企業7選

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ここからは、世界的に高いシェアを持つ日本企業を7社、簡単に紹介します。

各社の「配当利回り」「PBR」「PER」などの数値は、12月2日終値時点のデータに基づいています。これらの数値は株価の変動により日々変わるため、あくまで参考情報としてご活用いただき、最新の情報はご自身でご確認ください。

モリト(9837)

モリトは創業117年の老舗企業。ハトメ・ホック・マジックテープ®など、複数のトップシェア製品を持つグローバルニッチ企業。自己資本比率は約75%と高く財務健全。直近期は前年同期比で増収増益を確保しており、業績は堅調に推移している。M&Aにも積極姿勢。

配当利回り4.27%、PBR 1.06倍、PER 15.34倍

日本ゼオン(4205)

特殊ゴム(エラストマー)で世界トップクラスの高機能素材メーカー。日本で初めて合成ゴムの量産化に成功した企業。自動車・電子部品・EV向けなど、高付加価値の独自技術品を展開。直近期は売上高・EPSともに前年同期比で増加しており、事業は堅調。

配当利回り 4.08%、PBR 0.95倍、PER 12.35倍

ローツェ(6323)

半導体ウェハ搬送装置で世界トップシェアを持つ企業。半導体製造装置向け搬送モジュールを専門に扱い、クリーン・真空環境での高速・高精度搬送に強み。過去10年間で売上高・利益ともに高成長を遂げており、半導体投資動向に業績が連動しやすい。

配当利回り 0.82% 、PBR 3.08倍、PER 15.43倍

東京応化工業(4186)

半導体用フォトレジストで世界トップクラスのシェアを持つ企業。半導体製造で培った独自の微細加工技術、世界最高水準の純度を実現した高純度化技術(半導体を作る時にはきれいな溶液を作る必要があり、不純物を検知したりゴミを入れない生産技術を持つこと)が強み。生成AI・車載半導体など拡大トレンドと強い相関性を持つ。

配当利回り 1.19%、PBR3.31倍、PER 26.58倍

THK(6481)

直動案内機器(LMガイド)で世界トップクラスのシェアを持つ企業。工作機械・半導体装置・FAロボットなど、多様な精密機器に欠かせない部品を供給している。直近期は受注減で業績は軟調だが、財務は比較的安定しており高配当が魅力。

配当利回り 6.13%、PBR 1.42倍、PER 45.47倍

オーケーエム(6229)

工業用バルブの専業メーカーで、国内外向けに高品質な製品を供給。開発力が高く、顧客ニーズに対応したカスタマイズ製品を展開。船舶の排ガス関連バルブで高いシェアを持つ。自己資本比率が高く財務は健全。

配当利回り 2.18% 、PBR 0.80倍、PER 12.92倍

リョービ(5851)

アルミダイカストで世界トップクラスのメーカー。自動車の軽量化に不可欠な技術力を持ち、トランスミッションケースなど主要部品で高いシェアを有する。EV化の進展により一定の需要継続が期待される。生産の自動化・省人化にも取り組んでいる。

配当利回り 3.81%、PBR 0.51倍、PER 9.43倍

グローバルニッチトップ投資の注意点

グローバルニッチトップには優れた企業が多いですが、投資する際には以下の点を意識しましょう。

まず市場規模が小さいため業績変動があることです。ニッチ市場は安定していますが、「一部の大口顧客に依存している」ケースもあります。そのため、顧客の設備投資計画や景気の変動には注意が必要です。

また、株価が動きづらいことがあることもおさえておきましょう。テンバガー(10倍株)のような急騰は期待しづらいですが、逆にいえば、大きく下落しづらいという長所になります。長期投資向けの銘柄が多く短期売買では企業価値を反映しにくいためです。市場の急落とともに売り込まれた際は買い場といえるかもしれません。

長期的に資産を安定的に増やしたいと考えるなら、グローバルニッチトップの銘柄もこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

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