はじめに

住宅ローンの金利が上がるというニュースを目にすると、「このままで大丈夫なのだろうか」と不安になる方は少なくありません。

住宅ローン返済は長期間にわたるため、その間お子様の進路変更や働き方の変化、生活環境の変化など、さまざまな出来事が起こる可能性があります。

もし今、住宅ローンの返済に不安を抱かれているなら、金利を見るのだけでは不十分です。家計全体の状況やこれから想定される支出も含めて整理することが大切です。


今何が起きているのか

2025年12月、日銀は政策金利を0.25%引き上げ、現在は0.75%となっています。これを受け、各行では変動金利型住宅ローンの金利引き上げが始まっています。都市銀行5行の短期プライムレートの最頻値は2.125%となり、新規借入の優遇金利が年1%を超える銀行も出てきました。

「政策金利0.25%アップ」と聞くと小さな数字に感じるかもしれませんが、住宅ローンへの影響は決して小さくありません。例えば、借入額4,500万円、返済期間30年の場合、金利が0.25%上がると月々の返済額は約5,000円、年間では約6万円の負担増となります。

日銀は今後も段階的な利上げを続ける可能性を示唆しており、数ヶ月に1度のペースで追加利上げが行われる可能性があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直されるため、今後の金利の動向に注意を向ける必要があります。

多くの金融機関では「5年ルール」が適用されており、金利が上がっても毎月返済額は5年間変わりません。ただし、その分元金の減りが遅くなる点には注意が必要です。金融機関によってはこのルールが適用されない場合もありますので、ご自身の借入状況を確認してください。いずれにしても、変動金利型で住宅ローンを組んでいる場合は、今後数年で金利が+0.5%、+1.0%と上昇していくシナリオも想定しておきたいところです。超低金利時代が終わりを迎えつつある今こそ、自分たちの返済計画を見直す準備をはじめましょう。

チェックポイント① 返済比率を確認しよう

まず確認したいのは、現在の年収に対する返済額の比率です。一般に、住宅ローンの年間返済額は、手取り年収の25%以内が理想とされています。例えば、世帯手取り年収800万円の場合、年間返済額200万円(月約16.7万円)以内が目安です。

金融機関の審査基準は額面年収の30~35%とされていますが、これは税金や社会保険料を差し引く前の数字です。実際の家計では手取り収入をもとに考える必要がありますから、生活費や教育費など他の支出にも対応できるよう、家計に余裕を残しておくためのラインといえます。

返済当初と比較して、収入に変化はなかったでしょうか。育休を取得した、時短勤務になった、転職をしたなど、契約当初と比較して収入が下がっているケースでは、返済比率が上がっている可能性があります。

返済比率が25%を超え、さらに30%に近づいている場合は注意が必要です。特に今後大きなライフイベント(子どもの大学進学、リタイアメント、介護費用など)を控えている場合は、返済比率を早めに見直すことをお勧めします。大きな支出が見込まれるフェーズでは、住宅ローン返済比率は低めに抑えた方が安心です。

現在の返済比率に無理がないかを確認したうえで、金利上昇時の影響を具体的に試算してみましょう。

チェックポイント② 今後の金利上昇で月々いくら増えるか計算しよう

変動金利の最大のリスクは、将来の金利上昇です。では、実際に金利があがると、月々の返済額はどれくらい増えるのでしょうか。

金利の差は総返済額に大きな影響を与えます。例えば、住宅ローンがあと4,500万円、31年間の返済が残っている場合、今後5年間半年ごとに金利が0.25%あがるとします。その場合のシミュレーション結果は以下のとおりです。

この試算では、月返済額は約5,000円ずつ増え、5年後には当初より約5.3万円増える結果となりました。総返済額の差は約1,820万円です。

結果は想定する金利や時期によって異なりますから、大切なことは、ご自身の借入状況をもとに試算することです。金融機関のウェブサイトには無料の住宅ローンシミュレーターがあります。実際の増額インパクトを試算し、目安を立て、具体的な対応を考えておきましょう。

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