はじめに

株式市場はこのひと月ほど、米国・イスラエルとイランとの軍事紛争を巡る中東情勢に翻弄されてきましたが、本稿執筆現在(2026年3月25日)の東京株式市場では日経平均株価は大幅に上昇して、5万4000円台に乗せる場面がありました。米国がイラン側へ15項目の和平計画を送ったとの報道や、米国が和平計画を議論するために1カ月の停戦を探っていると伝わったことが中東情勢の緊張緩和につながりました。


強硬姿勢から一転? 読めないアメリカの「本気度」

トランプ米大統領はイランが48時間以内にホルムズ海峡を完全に開放しない限りはイランの発電所への爆撃も辞さないと圧力をかけていましたが、突如、一転して5日間は猶予期間とし、イランの発電所などへの攻撃を控えると表明、イランとの停戦に向けて両政府が週内は協議を続けると主張しました。ただ、これに対してイラン外務省は交渉を否定するなど、実際のところがよくわかりません。各国も、そして市場もトランプ米大統領がイランとの紛争の出口を模索しているのか、新たな攻撃のための時間稼ぎなのかを探りあぐねているというのが正直なところでしょう。

トランプ米大統領は当初、3週間を作戦終了の目途としていたようですが、イランの抵抗は思いのほか強固で、完全に目算を誤ったと言えるでしょう。こうなると停戦の目途が見えず、紛争が長期化する可能性を指摘する声も増えてきました。

紛争が長引いて本当に困るのは「トランプ政権」

しかし、逆説的ですが、紛争が長期化する可能性が高まったからこそ、筆者は短期収束の道を米国のトランプ政権は探り始めたのではないかと思うのです。というのは、イランとの紛争が長引いて困るのはトランプ政権だからです。

今回の軍事行動は、当初、11月の中間選挙を見据えた「強いアメリカ」の演出という側面が強かったことは誰の目にも明らかでしょう。しかし、戦争が予想外に長期化し、ホルムズ海峡の封鎖やエネルギー施設への攻撃が行われるなど、トランプ政権の当初の思惑とは異なる展開になってきました。

有権者が最も敏感に反応するのは、外交の勝利よりもガソリン価格です。米国内のガソリン価格が高騰すれば、それはそのまま現政権への不満へと直結します。トランプ米大統領にとって、選挙のための戦争が、選挙に負けるためのマイナス要因になりつつあるのです。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]