はじめに

金利上昇が株式市場に与える影響

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では、このような国債利回りの上昇は、個人投資家にとってどんな意味を持つのでしょうか。ここで重要なのは、「金利はすべての資産価格の基準である」という視点です。金利が上昇すれば、将来のキャッシュフローの現在価値は低下します。これは株式や不動産など、あらゆるリスク資産の評価に影響します。特に成長株は、将来の利益に対する期待を強く織り込んで評価されるため、金利上昇局面では割高感が意識されやすく、株価の調整要因になりやすい資産です。

金利上昇が追い風となる銀行株

一方で、金融機関にとっては金利上昇は必ずしも悪いニュースではありません。銀行は預金と貸出の金利差、いわゆる利ざやで収益を上げるビジネスモデルです。長期金利が上昇し、イールドカーブがスティープ化すれば、収益環境が改善する可能性があります。このため、銀行株が物色されやすいという特徴があります。実際、過去の金利上昇局面でも金融セクターが相対的に強いパフォーマンスを示してきました。相場全体が一律に下がるのではなく、追い風を受けるセクターもあるという点は押さえておきたいところです。

国債は安全資産として見直される

また、国債そのものへの投資についても見直しが必要です。これまでの日本では国債利回りがあまりにも低く、個人投資家にとって魅力ある投資対象とは言いにくい状態が続いてきました。しかし利回り水準が上がってくれば、安全資産としての国債の魅力は相対的に高まります。もちろん、利回り上昇局面では既発債の価格下落リスクがありますが、保有目的や満期までの期間を意識したうえで、ポートフォリオの一部に債券を組み入れる意味は以前より大きくなっています。低金利時代には薄かった選択肢が、再び投資対象として現実味を帯びてきたと言えます。

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