はじめに
やりがちなNG組み合わせ
最もよく見かけるNG例が、「オルカン+S&P500」の組み合わせです。一見、全世界と米国に分けているように見えますが、オルカンの構成比率のうち米国株は約61.7%を占めています(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)月報・2026年3月末時点)。つまり、S&P500を足しても、保有資産の大半が米国株に集中した状態になります。リスク分散を意図した組み合わせとしては、実質的な効果がほとんどありません。
同様の問題は「オルカン+先進国株式」にもあります。先進国株式インデックスの中身も米国比率が高く、オルカンとの重複が大きくなります。
「本数を増やす=分散している」は間違いです。中身が重複していれば、コストと管理の手間だけが増えて、分散効果は得られません。足す前に、オルカンとの重複率を確認することを習慣にしてください。
足す前に自分に問うべき3つのこと
組み合わせを検討する前に、以下の3点を確認してみてください。
1.今の積立額・期間で目標に届くか
シミュレーションをしてみると、「オルカン一本でも十分届く」とわかるケースは少なくありません。不足しているなら、まず積立額を増やすことを先に検討するといいでしょう。
2.リスク許容度を本当に上げられるか
攻め寄りのファンドを足した結果、相場が下落したときに精神的に耐えられるかどうかも重要な判断軸です。リスクを取れる範囲は、収入・年齢・生活コストによって異なります。
3.本数が増えても管理を続けられるか
シンプルさはオルカンの大きなメリットのひとつです。本数が増えると、リバランスの判断や管理コストも増えます。「増やしたはいいが、放置してしまった」では本末転倒です。
「足す」より先に「整える」ことが大切
組み合わせの正解は、目的によって異なります。守りたいのか、攻めたいのか、インフレに備えたいのか、その目的が明確でなければ、何を足しても中途半端な結果になりやすいです。
「何を足すか」より先に「なぜ足したいのか」を整理することが、最初の一歩です。そして、目的が定まらないうちは、オルカン一本を淡々と続けることも、立派な投資判断といえます。
まず取り組むべきことは、今の積立額と目標金額をシミュレーションツールで確認してみることです。「このままで届くのか、届かないのか」が数字で見えるだけで、次に何をすべきかが自然と整理されていきます。足し算の前に、まず自分のポートフォリオを「整える」ことから始めてみるのはいかがでしょうか。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]