はじめに
お店を探すときや、商品を購入しようとするとき、ランキングの情報はとても役に立ちます。私もグルメ情報や家電製品のランキングはよく参考にしていますし、レストランを予約する際にも、ランキング上位のお店を選んでみようかと思うことがあります。
では、保険商品のランキングはどうでしょうか。これをお読みの方の中にも、参考にしたことがある方がいるかもしれません。ただ、グルメや家電と同じ感覚で見てしまってよいのかというと、少し立ち止まって考える必要があります。
参考になるランキング、参考にならないランキング
私はグルメや家電についてはまったくの素人ですが、保険の分野についてはかなり詳しいつもりです。保険ランキングの年度版シリーズ『NEWよい保険・悪い保険』では16年間制作に関わってきましたし、週刊誌の保険特集やオリコンの保険ランキングなどでも選者を務めてきました。
保険ランキングには、とても参考になるものと、あまり参考にならないものがあります。たとえば、インターネット上には、保険代理店などが作成しているランキングがあります。しかし、対象となっている保険商品は、その会社が取り扱っているものに限られます。すべての保険を比較しているわけではありません。
さらに、ランキングの内容も「契約数」や「資料請求数」をもとにしたものが多く、商品の良し悪しを評価したものとは言えません。しかも、問い合わせの数は、商品の掲載順位にも影響される可能性があります。上位に表示されている商品ほど目に留まりやすいためです。つまり、売りたい商品が上位にきている可能性も否定できません。
もちろん、複数の商品を比較しやすいという点では参考になる面もありますが、ランキングの意味を理解したうえで見る必要があります。
参考にできるランキングとは
では、どのようなランキングなら参考になるのでしょうか。もっとも参考になるのは、消費者の立場で保険商品を正しく評価しているランキングです。その際に重要なのが、「誰がランキングを作っているのか」という点です。選者によってランキングの結果は大きく変わります。
契約者の満足度によるランキングもあります。料理の味やサービスの良さは、個人の感想が大きな意味を持ちます。しかし、保険は非常に複雑な商品です。契約者がその内容を十分に理解したうえで評価しているとは限りません。感想だけでは、保険商品を正しく評価しているとは言い難い面があります。
では、ファイナンシャルプランナーなど専門家による評価なら安心かというと、それも一概には言えません。保険に関する知識の深さや、販売に関わっているかどうかによって、評価は変わる可能性があります。
保険を販売している立場の場合、自分が扱う商品を優先したり、販売手数料の高い商品を高く評価したりすることもあり得ます。それが必ずしも消費者にとって良い商品とは限りません。つまり、ランキングでは選者の立場が非常に重要なのです。
さらに、媒体の編集方針もランキングに影響します。誰に向けて情報を発信しているのかという点です。保険会社や代理店向けの媒体では、必ずしも消費者目線とは言えない場合もあります。広告が多い媒体であれば、広告主に対して否定的な評価をしにくいという事情も想像できます。
これらの点をクリアしているランキングであれば、参考になる情報といえるでしょう。