はじめに

住宅購入に際して火災保険の手続きを進める中で、「個人賠償責任保険を付帯できます」という案内を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。自転車事故で1億円近い賠償金が課せられた事例もあり、こうした不測の事態に備える上で加入の必要性が高い保険です。一方、複数の保険に重複して付帯していたり、気づかないうちに補償が失われていたりするケースも少なくありません。

本記事では、住宅購入を機に個人賠償責任保険を見直したAさん(33歳・共働き会社員。1歳の子どもと妻の3人家族)の事例をもとに、個人賠償責任保険の正しい入り方と見直し方を整理します。


個人賠償責任保険とは? 補償範囲と加入が必要な理由

都心に自宅のマンションを購入したAさん(33歳・共働き会社員。1歳の子どもと妻の3人家族)は、火災保険の手続きを進める中で、「個人賠償責任保険」を付帯できることを知りました。言葉こそ聞いたことがあったものの、保険の内容をしっかり理解していないことに気づいたAさんは、改めて整理することにしました。

そもそも、個人賠償責任保険とは、日常生活における偶然の事故により、他人の身体や財物に損害を与えた場合に生じる法律上の賠償責任を補償する保険です。

補償される例には以下のようなものがあり、Aさん家族にとっても身近なリスクといえます。


・自転車で歩行者にぶつかり怪我をさせてしまった
・子どもが他人の家の窓ガラスを割ってしまった
・水漏れで下の階の部屋に被害を与えてしまった
・飼い犬が散歩中に通行人にかみついてしまった


このように、個人賠償責任保険は日常のさまざまなリスクをカバーしてくれる保険です。過去には自転車事故で約9,500万円の賠償が命じられた判例(神戸地裁平成25年7月4日判決)もあり、各自治体で自転車保険加入の義務化が広がるなど、社会的にも日常のリスクへの備えが求められています。

一方、補償されない例には以下のようなものがあるので、押さえておきましょう。

・故意による事故
・業務中の事故
・自動車の運転中の事故
・同居の家族への損害

付帯先の種類と重複加入の注意点

Aさんはまず、個人賠償責任保険をどの保険やサービスに付帯しているのかを整理することにしました。すると、クレジットカードと自動車保険に付帯されていることがわかりました。加えて、自転車保険の加入義務化を受けて深く考えずに加入した自転車保険も、実態は個人賠償責任保険であることが判明し、3つの重複加入が明らかになりました。

このように、個人賠償責任保険は他の保険への付帯が主流であるため、Aさんのようにいざ確認してみると重複加入していたことが判明するケースも珍しくありません。自転車保険として販売されている商品も実態は個人賠償責任保険が中心であるため、商品名に惑わされず中身を確認することが重複加入を避ける上で重要です。

重複加入していれば、その分もしもの時に受け取れる保険金も多くなるのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、個人賠償責任保険は実際の損害額を超えて保険金を受け取ることができない仕組み(実損填補)となっているため、複数の保険に加入していても受け取れる保険金は損害額が上限となります。つまり、重複加入している分の保険料は無駄になってしまう可能性があるのです。

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