はじめに
現地で欠航・足止めになったら? 保険で備えられること
出発前のキャンセルだけでなく、旅行中に現地で欠航・足止めになるケースも、今回の中東情勢では実際に起きました。この「現地での予期せぬ延泊」に対して、保険はどこまで機能するのでしょうか。
欠航・遅延が生じた場合は、「航空機遅延費用等担保特約」が有効ですが、戦争・内乱は除外となり、補償されません。また、戦争以外で適用になったとしても、ホテルの宿泊費・食事代・交通費などが補償で1〜2万円という上限が決まっていることがほとんどで、超過分は自己負担となります。物価上昇の折、長期の足止めには金額的に対応しきれない可能性があります。
また、旅行途中で帰国を余儀なくされた場合は「旅行中断費用補償特約」でカバーする方法がありますが、こちらも戦争、外国の武力行使、革命などに起因する費用には保険金を支払わないと明確に定められている場合もありますので、予め約款をしっかり読み込み、疑問点があれば、コールセンター等に確認する手間を惜しまないことです。
もうひとつ必ずしてほしいことは、保険期間の延長です。帰国できない状況で、「転倒による骨折」や「スリ被害」は、戦争と直接の因果関係がないと証明できれば補償される余地があります。足止めになったとしても、旅行保険の治療費補償は生きていると覚えておきましょう。
こちらも自動的に延長される場合と、ご自身で保険会社に連絡し延長の手配が必要になる場合がありますので、出発前に確認することが大事です。
出発前に必ずすべき2つのこと
旅行保険は、病気・ケガ・盗難などの日常的なリスクに対しては非常に頼れる存在です。一方で、戦争・内乱による直接の損害には根本的な限界があります。
①申込予定や申込済みの海外旅行保険の約款を確認し、キャンセル・中断特約の有無、戦争・テロ特約の有無等をチェック
②外務省の「海外安全情報」の定期的チェックや「たびレジ」の登録
この2つは必ず行うことをお勧めします。
最後に筆者自身の海外旅行の向き合い方をご参考までにお伝えすると、戦争以外でも何か非常事態が起こった際、自分で対応が難しいと判断する国や地域への旅行はパッケージツアーを選択しています。一方、1か所滞在・治安が安定・日本大使館が近い等は個人旅行で飛行機とホテルだけを予約し気楽に楽しんでいます。
そして、クレジットカード付帯の海外旅行保険が自動付帯でなく、利用付帯であれば旅行代金をそのクレジットカードで決済をしますし、長期の旅行等で別途補償を厚くしたい部分は、個別設定ができる海外旅行保険契約を追加しています。
このようにリスクは最小限にと準備しても、海外旅行ツアーを申し込み後、家族の手術が急遽決まり、キャンセル特約があったものの入院日数に該当せず、15万円以上のキャンセル料をお支払いしたこともあります。
しかしながら、「何も起きなければ、保険料は無駄だった」それが保険の正解です。旅を思いきり楽しむための「お守り」として、GW前に一度しっかり向き合ってみてください。