はじめに
シミュレーションして預け替え後の利息が多いなら実行
高金利の定期預金に預け替えるという場合でも、預け替え前後の利息を計算してから実行しましょう。
次の条件でオリックス銀行の「スーパー定期」を中途解約したとします。
・預入時:2024年9月1日
・当初預入期間:2年
・約定利率:年0.40%(2024年9月1日時点の金利・単利)
・中途解約の時期:2026年4月21日(預入期間は597日)
この場合、中途解約利率は普通預金金利の年0.3%ですので、得られる利息(税引後)は3910円になります。満期まで保有した場合の利息(税引後)は6374円なので、6374-3910=2464円の損です。
しかし、この商品を解約して新たに1年もののスーパー定期に預け替えたとします。本稿執筆時点の1年もののスーパー定期の金利は年1.05%ですから、満期まで保有した場合の利息(税引後)は8366円となります。合計の預入期間は7か月ほど伸びますが預け替えたほうがお得でしょう。
預入時期、預入金額、中途解約利率、単利タイプか複利タイプなどによって、中途解約して預け替えたほうが良いかどうかは変わってきますので、事前にシミュレーションをしてから行うようにしましょう。
ただし、定期預金を利用するにあたっては、口座開設や口座管理の手間のことも考えましょう。地方銀行や信用金庫の金利の高さは魅力ですが、普段使わない銀行では使い勝手が悪いですし、口座が増えてしまうのも大変です。身近で普段使いできるような地方銀行や信用金庫であればともかく、そうでなければ無理に使わないほうがよいでしょう。
また、「期間内に申し込むと金利上乗せ」「初回限定で金利アップ」のようなキャンペーンもおすすめしません。初回満期になり継続するときは、そうした金利上乗せ・アップの特典はなくなり、通常の金利に戻ってしまうからです。
個人向け国債の利用もおすすめ
近年、定期預金の金利上昇だけでなく、個人向け国債の金利も上昇しています。債券は、お金を借りるために発行する借用証書のようなもの。このうち、国が発行する債券(国債)を個人でも買いやすくした商品が「個人向け国債」です。
個人向け国債は毎月発売されていて、最低購入価格1万円から1万円単位で購入額を変更できます。保有中は半年に1度利息が受け取れ、満期になるとお金が返ってきます。
個人向け国債には満期まで利率が変わらない「固定3年」「固定5年」と、半年ごとに利率の変わる「変動10年」の3つのタイプがあります。2026年4月募集分(5月発行分)の金利は固定3年が年1.51%、固定5年が年1.79%、変動10年が年1.55%に上昇してきました。
個人向け国債は、満期前でも発行後1年以上経過すれば中途換金ができます。その際、直近2回の利息にあたる金額が中途換金額から差し引かれますが、元本割れは絶対にしません。
2026年4月募集(5月発行)分に関しては、変動10年の金利は年1.55%、固定5年の金利は年1.79%ですので、固定5年を購入した方が良さそうに感じますが、金利上昇局面の恩恵を受けるなら「変動10年」がいいでしょう。金利上昇局面が続くならば、政策金利の上昇に伴って半年ごとに自動的に利率が見直され、利息が増えるからです。特に何も手続きしなくても、保有しているだけで利息が増えるので、手間もかかりません。インフレ下では、インフレを抑制するために金利が上昇するのですから、インフレ対策としても有用です。
金利上昇局面は「短期」の定期預金を活用
預金金利は、日本銀行が定める「政策金利」を元にして決まります。今後も利上げが行われるかどうか、それがいつなのかの予想は難しいですが、政策金利が上昇するなら、定期預金の金利も上がっていくことでしょう。
金利上昇局面では、満期までの期間の短い定期預金を選ぶのが手です。中途解約をしての預け替えは、上記のようなシミュレーションや手続きの手間がありますので、満期を迎えたら新たに短期の定期預金に預け替えしていく戦略がおすすめです。