はじめに

ロックアウト・ラリーでも何でも買えばよいわけではない

ここで注意したいのは、ロックアウト・ラリーだからといって、何でも買えばよいわけではないという点です。

ロックアウト・ラリーの怖さは、投資家の焦りを誘うことにあります。「買わないと置いていかれる」という心理が強くなると、割高な銘柄を高値でまとめて買ってしまいがちです。しかし、上昇相場の中でも、買い場として適した局面と、そうでない局面はあります。

特に現在の相場は、AI・半導体関連に資金が集中しやすい状況です。米国ではAMD、エヌビディア、マイクロン、スーパー・マイクロなどへの期待が強く、日本でも半導体製造装置、検査装置、電子部品、電力インフラ、データセンター関連に資金が向かいやすい環境です。AMDの好決算を受けて世界的な半導体株ラリーが見られ、SOX指数も最高値を付ける場面がありました。

AI関連株の上昇は、単なるテーマ物色ではなく、企業業績や設備投資の拡大に支えられている面があります。その一方で、株価が先に走る局面では、良いニュースがかなり織り込まれやすくなります。

ただ、テーマが強いほど、株価には将来の成長が先に織り込まれます。業績が伸び続ければ正当化されますが、期待値が高すぎる銘柄は、少しの失望で大きく下げる可能性があります。ロックアウト・ラリー局面では、「買わないリスク」と同時に、「高値づかみのリスク」も存在します。

個人投資家は相場に参加しながら余力を残す

では個人投資家はどう動くべきかというと、現実的な対応は「一括で飛び乗る」のではなく、「相場に参加しながら、余力を残す」ことです。

例えば、長期資産形成のコア部分は、NISAのつみたて投資枠を使って、全世界株式やS&P500などの低コストインデックスファンドに時間分散で投資する。現行のNISAでは、18歳以上のつみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、非課税保有限度額が1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までとされています。

一方で、成長投資枠や課税口座では、AI・半導体・電力・データセンター・サイバーセキュリティ・防衛・宇宙・資源など、構造的な成長テーマに関連するETFや個別株を少しずつ組み入れる方法が考えられます。

大切なのは、ロックアウト・ラリーの局面では「全部買う」か「全部見送る」かの二択にしないことです。例えば、買いたい金額を3分割し、まず3分の1だけ入れる。次に、決算や押し目、金利低下、為替の落ち着きなどを確認しながら追加する。さらに急落時に備えて、最後の3分の1は現金で残す。こうした段階的な買い方のほうが、心理的にも実務的にも対応しやすくなります。

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