はじめに
銘柄選びの前に、どの市場で戦うかを決める
この相場で個人投資家に一番伝えたいのは、戦う市場を選ぶことも投資戦略の一部だということです。すべての市場で勝とうとする必要はありません。むしろ、勝ちやすい市場、資金が集まりやすい市場、構造的な追い風がある市場を選ぶことが大切です。
現在の米国株は、AIという成長テーマ、巨大なMMF待機資金、米財務省による国債市場の流動性管理という複数の支えがあります。そのため、短期的な調整があっても、資金が戻りやすい市場であることは確かです。
一方で、日本株や新興国株、小型株、個別テーマ株には、それぞれ違う需給があります。資金が集まりやすい市場なのか、業績成長が見えている市場なのか、割安修正や高配当を狙う市場なのか。この視点を持つだけで、投資判断はかなり変わります。
一括投資より時間分散で調整局面に備える
米国株は構造的には強いものの、金利上昇やAI期待の修正で大きく調整する可能性があります。そのため、下がったら全部買うのではなく、段階的に買うことが大切です。
例えば、S&P500やNASDAQ100のような主要指数に投資する場合は、毎月積立を基本にしつつ、大きく下がった局面で少し買い増す方法が現実的です。
個別株の場合は、AI関連だから何でも買うのではなく、利益が実際に出ている企業、キャッシュフローが強い企業、設備投資負担を吸収できる企業を選ぶことが大切です。
また、金利上昇に備えるなら、高PERの成長株だけに偏らず、配当株やディフェンシブ株なども組み合わせた方が安定します。生活必需品、ヘルスケア、金融、資本財などが該当します。
特に、個人投資家の場合は上がる銘柄を当てることだけを考えると、相場の急変時に苦しくなります。むしろ、上がっても嬉しい、下がっても買い増せる、横ばいでも配当や積立で続けられる、というポートフォリオを作ることが重要です。
米国株は今後も有力な投資先であり続ける可能性がありますが、金利、国債市場、MMF、企業業績、AI投資の回収状況を確認しながら、焦らず、分散しながら、長い目線で向き合うことが大切です。この記事が皆様の投資の参考に少しでもなれば幸いです。