はじめに
夏のボーナスが振り込まれると、「NISAに全額入れるべき?」「旅行に使っていいのか?」と迷う人は少なくありません。
ボーナスの使い方に「万人に共通する正解」はありませんが、考え方には順番があります。そしてその順番は、40代と50代では大きく異なります。
教育費の負担が重い40代と、収入のピークを迎え、老後が視野に入り始めた50代とでは、同じ金額のボーナスでもその意味と役割がまったく違います。さらに50代後半は、役職定年によってボーナスが突然減るケースもあります。多くの方の家計に向き合ってきた経験をもとに、年代別のボーナスの使い方と、迷ったときに戻るべき「判断の順番」をお伝えします。
「使い道を決める前」に、必ず確認すべきステップ
6月下旬から7月上旬にかけて、多くの会社員の口座に夏のボーナスが振り込まれます。「今年こそちゃんと使い道を決めよう」と思いながら、気づけばなんとなく普通預金に置きっぱなし…。あるいは「とりあえずNISAに全額」「ローンの繰り上げ返済に回した」と即断したものの、後から「本当にそれでよかったのか」と不安になった方もいるかもしれません。
ボーナスの使い道に、誰にでも当てはまる絶対の正解はありません。しかし、「使い道を決める前」に、必ず確認しておきたいことが2つあります。
ひとつ目は、生活防衛費が足りているかどうかです。生活防衛費とは、万が一収入が途絶えたときに生活を維持するための現金のことで、目安は生活費の3〜6か月分とされています。注意したいのは、生活防衛費と生活費はそれぞれ別に用意すべきお金であることです。いざというときの安全装置ですから、投資や消費より先に確保するのが基本です。
ふたつ目は、直近数年以内に大きな出費の予定があるかどうかです。車の買い替え、リフォーム、子どもの入学・受験費用や学費など、すでに見えている支出は「使途が決まっているお金」として先に分けておきます。残った金額が「本当の余裕資金」です。
この2つの確認をスキップして投資へ・レジャーへと動くのが、最もよくある落とし穴です。投資優先で手元資金が枯渇するケースが増えています。
40代のボーナスは「守りながら、種をまく」時期
40代は現役世代のなかでボーナス金額が伸びてくる時期ですが、家計の支出もピークを迎えやすい年代です。教育費が家計を圧迫し、毎月の収支がギリギリという家庭も少なくありません。
私立文系大学では授業料だけで年間約100万円、自宅外通学の場合は仕送りを含めると4年間で約1,000万円が目安となります。そのため、ボーナスが入ってもすでに使い道が決まっているご家庭が多いのも事実です。
だからこそ、40代のうちに大切にしてほしいのが「老後資産の種まきを始める」という発想です。コツコツ長期投資を続けることで、気づけば大きな資産になっていた…。そんな結果は、40代から始めた人にこそ実現しやすいのです。
50代になってから老後資金を準備するのに比べ、40代は時間という最大の武器が使えます。教育費の支出と並行して、少額でも構わないので長期投資を止めないスタンスを持つことが、10年後・20年後の家計を大きく左右します。
40代のボーナスの基本軸は「生活防衛費と直近の教育費を確保する → 余裕資金で少額でも投資を続ける」という順番です。「全部教育費に使い切ってしまった」という年が続かないよう、早くから積極的に返済不要の奨学金や国・地域の支援制度を調べ、子どもの夢も諦めずに、教育費を上手に確保する準備をお勧めします。