はじめに

資金の流れを読むポイント

図

では、個人投資家はどのように資金の流れを追えばよいのでしょうか。

売買代金に表れる資金流入

まず見るべきは、売買代金です。株価が上がっていても、売買代金が伴っていない場合は、一部の短期資金による値動きにすぎない可能性があります。反対に、売買代金が大きく増えながら株価が上がっている場合は、機関投資家や海外投資家を含めた大きな資金が入っている可能性があります。JPXの売買状況を見ると、2026年1月の東証プライム市場の1日平均売買代金は7兆6,646億円、2月は9兆8,666億円、5月は12兆1,892億円と高水準で推移しています。市場全体に厚みのある資金が入っている局面では、テーマ株の物色も広がりやすくなります。

上昇銘柄の共通点

次に見るべきは、上昇している銘柄の「共通点」です。ある日、半導体株だけでなく、電線株、重電株、データセンター関連、光通信関連まで買われているなら、市場は単に「半導体」を買っているのではなく、「AIインフラ全体」を買っている可能性があります。防衛関連だけでなく、宇宙、通信、電子部品、サイバーセキュリティにも買いが広がっているなら、市場は「安全保障」という大きなテーマを見ているのかもしれません。

このように、個別銘柄を点で見るのではなく、資金の流れを線や面で見ることが大切です。株価ボードを見て「この銘柄が上がっている」で終わるのではなく、「なぜ同じ日にこの業種群が買われているのか」「どのテーマに資金が集まっているのか」「その資金は主力株だけで止まっているのか、周辺銘柄まで広がっているのか」を考えることが、投資判断の精度を高めます。

資金循環投資の落とし穴

ただし、資金の流れを追う投資には落とし穴もあります。もっとも危険なのは、値動きだけを見て飛び乗ることです。急騰後の低位株、SNSで急に注目された銘柄、材料が一度出ただけで大きく買われた小型株は、上昇局面では魅力的に見えますが、資金が抜けると下落も速くなります。特に時価総額が小さく、流動性が低い銘柄は、買うときは簡単でも、売りたいときに思った価格で売れないことがあります。

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