はじめに

金利上昇は「住宅ローン」「保険」にどんな影響がある?

●住宅ローン

住宅ローンの金利タイプには、変動金利と固定金利があります。日銀の利上げによって特に注意したいのは、変動金利を利用している人。半年ごとに金利が見直されるしくみで、政策金利の変化がすぐ反映されやすいのが特徴です。

変動金利型の住宅ローン金利は「短期プライムレート(優良企業にお金を貸し出す際の金利)」をもとにした金利から、金融機関ごとに定める割引をした金利です。割引の大きさは金融機関によって違うので、変動金利の利率が金融機関によって異なります。

短期プライムレートは2024年半ばまで長らく1.475%でしたが、2024年・2025年に引き上げられ、2026年6月時点で2.125%です。三井住友銀行は8月3日から2.375%に引き上げることを発表しています。他の銀行も追随することでしょう。

短期プライムレートの引き上げに合わせて、金融機関が提示している変動金利型の住宅ローンの金利も上昇します。マイナス金利時代は年0.3%、年0.4%という住宅ローンも見かけましたが、2026年6月時点では年1.0%の水準になってきています。8月以降は年1.2〜1.3%の水準になることが予想されます。変動金利で住宅ローンを借りている場合、金利上昇に伴って生活費の負担が上がり、生活が苦しくなってくるでしょう。

一方、固定金利型の住宅ローンであれば、利上げがあっても契約時の金利が返済期間中は変わりません。ただし、新規に借入する際の金利は市場金利が上昇すれば変わります。
全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の金利(最低値)は、2026年6月時点で3.21%。8月はより高い金利になりそうです。フラット35が現行制度になってから(2017年10月以降)最高値を更新し続けています。

●保険

円建ての保険を販売する保険会社は、将来の保険金の支払いに合わせて、運用を行います。円建ての保険は、保険料も保険金も「円」であることから、ALM(アセットライアビリティマネジメント)の一環で、円建ての資産で運用することになっています。また、保険会社の運用は基本的にキャッシュフローマッチング(資産と負債の資金の流れを合わせる手法)から、債券運用が主体であるので、日本国債が主な運用先になります。

日銀の利上げによって日本国債の利回りが上がるのであれば、予定利率(生命保険会社が契約者に対して約束する運用利回りのこと)の引き上げは当然の流れです。予定利率が上がると、契約者が支払う保険料の負担が実質的に減ります。

将来支払う保険金額が変わらない、例えば保険金額が1000万円と確定している場合、予定利率が上がれば少ない保険料でその金額を用意できることになります。

また、予定利率が高いということは、少ない保険料で目標に到達できるだけでなく、以前よりも利益を上げやすくなるということにつながるので、解約返戻金や満期返戻金がアップする可能性があります。

ただし、注意点があります。予定利率引き上げにより保険料が安くなる、解約返戻金や満期返戻金が増えるといったプラスの影響を受けられるのは、これから新たに契約する人に限られる点です。

基本的に保険は、住宅ローンの「固定金利」と同じです。保険の予定利率も契約した時点で提示された利率から変わることはありません。そのため、すでに保険を契約している人は、予定利率引き上げの影響を受けることはありません。

なお、積立利率連動型保険に加入している場合は、積立利率が引き上げられ、将来受け取れる解約返戻金や年金額が増加する可能性があります。

インフレ時代に突入し、金利がある世界になりました。昔の常識は今の非常識。常に脳をアップデートして、新時代を生き抜いていきましょう。

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