はじめに

新NISAがはじまって、2年半ほどたちました。「NISA口座」だけでなく、「特定口座」での取引も気になっている方もいるかもしれません。

NISA口座は、投資で得た利益に税金がかからない制度ですが、実はメリットばかりではなく、デメリットになる場面もあります。一方、投資で得た利益に約20%の税金かかる特定口座は、そのデメリットが注目されがちですが、実はメリットになるケースもあるのです。

今回は、株価が上がった場合、下がった場合、配当金や株主優待を受け取る場合という4つのケースで、「NISA口座」と「特定口座」の違いを確認してみましょう。


ケース1:株価が上がって売却するならNISAが有利

特定口座では、投資による利益が出た場合は、基本的には利益に約20%の税金がかかりますが、NISA口座では、その税金がかかりません。それを踏まえて、購入した株が「値上がり」して売却した場合を考えてみましょう。

例えば、100万円で買った株が130万円になり、30万円の利益が出たとします。

特定口座では利益に約20%の税金がかかるため、利益30万円に対して、6万円ほどの税金が差し引かれて、利益の受け取りは約24万円になります。

一方、NISA口座なら、税金がかからないため、利益の30万円をそのまま受け取れます。

値上がり益を期待して長期保有する予定であれば、NISA口座との相性がよいといえます。

ケース2:株価が下がって売却するなら特定口座が有利な場合も

購入した株が下がってから売却する場合を考えてみましょう。つまり損失が出るケースです。

例えば、100万円で買ったA社の株を、80万円に下がってから売却すると、20万円の損失です。

自分がこのA社の株だけ保有している場合は、特定口座でもNISA口座でも、20万円という損失は変わりません。しかし、他のB社の株を特定口座で持っていて、利益が出た場合には違いが生じます。

A社とB社の株を持っていて、両方売却して、A社株では20万円の損失、B社株では20万円の利益が出たケースで考えてみましょう。

1. A社株も、B社株も、両方特定口座で持っていた場合
A社株の20万円の損失とB社株の20万円の利益がプラスマイナスゼロとして計算され(=「損益通算」といいます)、支払う税金はなくなります。

2. A社株をNISA口座で、B社株を特定口座で持っていた場合
NISA口座で生じた利益や損失は税金の計算対象外であるため、A社株がプラスでもマイナスでも税金は関係がありません。そして、特定口座では利益に約20%の税金がかかるため、B社株の利益からは約4万円の税金が差し引かれることになります。

このように、同じ会社の株の売買によって、同じように利益と損失を出していたとしても、保有していたのがNISA口座か特定口座かによって、税金の計算方法が異なるのです。簡単にいうと、「値動きが大きい銘柄」や「短期売買を前提とした銘柄」は、マイナスになった際の損益通算の可能性を考えて、あえて特定口座で保有する、という方法もあります。

とはいえ、最初からマイナスになることを想定して投資はしないでしょう。また、投資初心者が、大きな値動きがあるリスクの高い銘柄を買うことは少ないと思いますので、「そういう方法もある」と頭の片隅に入れておくくらいでよいでしょう。

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