はじめに

自分が年齢を重ねるということは、両親はそれだけ高齢になっているということです。そうなると気になるのが、親が入院したり介護が必要になったりしたときのことではないでしょうか。

親の健康や生活が心配になるのはもちろんですが、それによって自分たちの生活や家計にどのような影響を与えるのかも気になるところです。今回は、親の入院や介護による経済的・時間的な負担について考えてみたいと思います。


介護の負担額は100万円以上が9%

ライフネット生命の「親の入院・通院・介護に伴う子の負担実態調査」(2026年)によると、親自身の経済的な備えが「十分」と感じている人は約半数、「不十分」と感じている人も4割を超えていました。

つまり、半数近い人が、親のために経済的な負担を負う可能性があるということです。では、実際に子どもが負担した金額はどのくらいなのでしょうか。

平均すると、入院では19万円、通院では14万1,000円、介護では31万4,000円となっています。さらに詳しく見ると、入院で負担した費用では「5万円未満」が42.4%を占めており、大きな負担にならないケースが多いことがわかります。

一方、介護では「100万円以上負担した」という人が9%にのぼります。介護は内容や期間によって、家計への負担が非常に大きくなることがわかります。

入院よりも介護のほうが時間の負担が大きい

親の入院や介護で負担になるのは、お金だけではありません。1か月あたりに親のために費やした日数は、入院で平均12日、通院で7.9日、介護では13.2日でした。

数字だけを見ると、入院と介護の負担はそれほど変わらないようにも見えます。しかし、入院では「7~10日程度」が多いのに対し、介護では「ほぼ毎日」と答えた人が22%と最も多く、時間的な負担は介護のほうがはるかに大きいことがわかります。

仕事への影響も深刻です。厚生労働省の「雇用動向調査」(2024年)によると、「介護・看護」を理由に離職した人は約9万3,000人。男性では45~49歳、女性では55~59歳が最も多くなっています。親のために仕事を辞めたいという気持ちは理解できます。しかし、介護期間は平均4年7か月で、10年以上続くケースも約15%あります。

もし介護離職をしてしまうと、収入がなくなるだけでなく、厚生年金の加入期間も短くなるため、自分自身の年金額も減ってしまいます。その結果、老後資金が不足し、親子共倒れになってしまう可能性もあります。できるだけ介護離職は避けたいところです。

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