はじめに
資産管理アプリ「マネーフォワード ME」の資産形成アドバンスコースでは、不定期で、資産形成の新たなヒントをお届けするアドバンスコース会員限定コンテンツを提供しています。今回はその中から、ユーザーの保有者数の増加率が高かった銘柄をTOP50までまとめたランキングデータ(※)をご紹介します。これは株価の騰落率ではなく、実際にMEユーザーが「新たに買い増した」銘柄を集計したものです。個別銘柄の選び方の良し悪しというより、その時々の市場の"空気"や個人投資家心理がそのまま反映されやすいのが、このランキングの面白いところ。株価そのものが大きく動いた銘柄と、実際に保有者が増えた銘柄が必ずしも一致しない点にも注目です。
今回は6月のランキングから、保有者の増加率が高かった10位から4位までをご紹介します。
※抽出時点の3ヶ月前と比較し、保有率(保有者数)の増加率が高い順
※3ヶ月前時点で保有者1,000人以上の銘柄に限る
【10位】AST SpaceMobile(ASTS)
10位「AST SpaceMobile(ASTS)」は、一般のスマートフォンが専用機器なしで衛星と直接つながる通信サービスを開発する米企業です。日本では楽天グループが同社と組んで衛星通信サービスの国内展開を進めていると報じられ、国内投資家の関心を集めた可能性があります。今後の衛星打ち上げの進捗と商用化のスケジュールが、投資家の注目材料となりそうです。
【9位】日本ゼオン(4205)
9位「日本ゼオン(4205)」は、AI・半導体や宇宙・防衛といった大きなテーマとはやや異なり、決算内容そのものが評価された銘柄です。2026年3月期は売上高こそ前期比2.1%減でしたが、高機能材料事業の好調と原料価格の下落により、営業利益は24.1%増、純利益は38.3%増という大幅な増益となりました。証券会社による目標株価の引き上げも株価の追い風になったとみられます。テーマ性ではなく決算そのものが評価されたという意味で、他の銘柄とは毛色が異なる存在です。
【8位】Redwire(RDW)
8位「Redwire(RDW)」は、もともと宇宙インフラ機器を手がけてきた企業ですが、防衛ドローン企業の買収を経て、自律システムを含む防衛分野へと軸足を広げています。1月には、米国が推進する総額1,510億ドル規模のミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」の関連契約に採用されたことが発表され、株価が急伸しました。受注残高も過去最高水準に達しています。一方で赤字は継続しており、8月の決算発表や資金調達に伴う株式の希薄化リスクは注視すべき点です。
10位のAST SpaceMobileとあわせて見ると、世界的な防衛費の増額傾向を背景に、宇宙インフラと安全保障を結びつける企業への関心が広がっていることがわかります。地政学リスクの高まりを受けて各国が防衛予算を積み増す流れは一時的なものではなく、数年単位で続く可能性がある点も、この分野が物色され続けている背景といえるでしょう。
【7位】FIG(4392)
7位「FIG(4392)」は国内の小型株で、IoT決済やロボット・自動化事業を手がけています。グループ会社が5月、台湾企業と共同で先端AI半導体の検査工程向け自動化装置を開発したと発表し、話題となりました。
共同開発の相手企業名は公表されていませんが、対象がAI向け高性能GPUパッケージであることから、市場では大手半導体受託製造企業との関連を指摘する声(あくまで観測の域を出ません)もあります。あわせて直近の決算も大幅増収増益となり、AI・半導体テーマの裾野銘柄として資金が入った形です。
【6位】SanDisk(SNDK)
6位「SanDisk(SNDK)」は、AI向けフラッシュメモリの主要メーカーです。データセンター向けNAND需要の急増を背景に、契約価格が四半期ベースで大幅に上昇し、株価は年初来で極めて大きな上昇を記録しました。証券各社が相次いで目標株価を引き上げたことも話題を呼びましたが、7月に入ってからはAI・半導体テーマ全体で利益確定売りが強まる場面もあり、値動きの荒さが一段と増しています。SanDiskとキオクシアが7月3日に発表した次世代NAND生産開始のニュースのように、需要面の材料自体は途切れていませんが、短期的な過熱感には注意が必要な局面です。
半導体・AIというテーマ自体は息の長いものですが、今回のように短期間で急騰した銘柄ほど、材料が一巡した際の反動も大きくなりがちです。テーマ買いに乗る場合は、値動きの大きさをあらかじめ織り込んでおく視点も必要でしょう。
【5位】NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信
2026年6月、日経平均株価は史上最高値を更新し続けました。牽引役は一貫して半導体関連株です。米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅高となるたびに、東京市場でも半導体関連銘柄への買いが連鎖するという構図が続いています。あわせて円安傾向が続いたことや、海外投資家による日本株買いも、市場全体を押し上げる要因になりました。
背景にあるのは、生成AIの普及に伴うデータセンター需要の急拡大です。世界半導体市場統計(WSTS)は6月、2026年の半導体市場規模予測を前年比89.9%増へと大幅に上方修正しました。前回(2025年12月発表)の予測が前年比26.3%増だったことを踏まえると、半年でこれだけ上振れするのは異例の展開といえます。
このテーマに直結する形で保有者数が伸びたのが5位「NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信」です。
【4位】eMAXIS 日経半導体株インデックス
4位「eMAXIS 日経半導体株インデックス」も、5位のNEXT FUNDSと同じ日経半導体株指数に連動する商品です。投資信託形式のeMAXISとETF形式のNEXT FUNDS、商品形式は異なりますが、個別銘柄を選ばず「テーマにまとめて乗りたい」という投資家心理が、この2本の保有者数増に共通して表れたといえるでしょう。
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こうして振り返ると、2〜5月の市場は「AI・半導体」「宇宙・防衛」という2つの大きな物色テーマと、企業ごとの好決算という3つの軸で動いていたことが、このランキングからも見えてきます。中東情勢や米国の金融政策の動向に加え、7月に入って半導体・メモリー関連株の利益確定売りが強まっている点も、今後の値動きを見るうえで意識しておきたいところです。
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※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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