はじめに
キャリアも充実し、仕事での責任も増してきた40代。ふと立ち止まったとき、「同世代の女性はどのくらい稼いでいるの?」「貯蓄は十分?」「もし親の介護が始まったら……」という不安が頭をよぎることはないでしょうか。
40代は、女性のライフプランにおいてお金の問題が一気にリアルになる時期です。老後まであと20年を切り、親の介護や自分自身の健康リスクも視野に入り始めます。今回は、都内で暮らす40代独身女性の最新の懐事情(年収、貯蓄額、生活費)を公表データから徹底解剖。さらに、2026年現在の法制度を踏まえたFP視点のマネープランをお届けします。
都内で働く40代女性会社員の「平均年収」はいくら?
まずは気になる年収から確認しましょう。厚生労働省が公表した最新の「2024年賃金構造基本統計調査」によると、東京都で働く40代女性の平均賃金は以下のとおりです。
<東京都女性の年齢階級別賃金(万円)>
厚生労働省「2024年賃金構造基本統計調査」を元に筆者作成
40〜44歳の平均月収は約39万円、年間ボーナスは約111万円、年収は約582万円です。45〜49歳の平均月収は約42万円、年間ボーナスは約122万円、年収は約621万円です。
ただし、これらはあくまでも「平均値」であり、業界や職種、勤続年数によって大きく差が出ます。IT・金融・コンサルティングなど高単価業界では平均を大きく上回るケースも珍しくありません。一方、サービス業や非正規雇用では平均を下回る場合も多いです。
40代になると、30代と比べてキャリアの格差が開き始めます。正社員として勤続年数を重ねた方、あるいは資格や専門性を活かした方は昇給が続く一方、非正規雇用や転職を繰り返した場合は伸び悩む傾向があります。
月収39万円(40〜44歳)の場合、社会保険料や所得税・住民税を差し引いた手取りは、概算で月約31万円前後となります(扶養なし・東京都在住の場合)。この手取り額を基準に、「貯める・使う・備える」のバランスを考えることが重要です。
40代単身世帯の「貯蓄額」:平均値と中央値のちがい
次に、同世代の貯蓄事情を見てみましょう。30代では「これから貯める」がテーマだった人も、40代では「どれくらい貯まっているか」が気になる頃ではないでしょうか。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2025年」によると、40代単身世帯の金融資産保有額(貯蓄・投資等の合計)は以下のとおりです。
<金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)>
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査2025年)」を元に筆者作成
ここで重要なのは「平均値」と「中央値」の見方です。平均859万円という数字は、一部の高資産保有者が数字を大きく引き上げた結果です。データを上から順に並べてちょうど真ん中にくる「中央値」は100万円にとどまっており、これが40代単身女性のお金の現実により近い姿です。
また、32.1%が「貯蓄ゼロ」というデータも見逃せません。「まだ大丈夫」と思いつつ、貯蓄に手が回らないまま40代後半に突入するリスクは決して少なくないのです。40代は「老後まで残り約20年」という現実が迫ってくる時期です。無理なく、しかし確実に貯蓄と投資を組み合わせて、資産形成のエンジンをかけていきたいところです。
都内在住、40 代独身女性の支出額は平均17万1000円
では、続いて1カ月の支出の平均をデータから見てみましょう。総務省の「2019年全国消費実態調査」によると、40代女性単身者の1カ月の平均支出は17万1000円です。
そのなかでも、最も大きな固定費となるのが「家賃」です。公益財団法人不動産流通推進センターがまとめた「2026不動産統計表」によれば、東京の賃貸マンションの家賃相場は上昇傾向が続いています。
<東京都内の賃貸マンション家賃相場(2026年)>
公益財団法人不動産流通推進センター「2026不動産統計表」を元に筆者作成
月の手取りが31万円で、ワンルームマンションの家賃が9万円とすると、30%以内に入りますので、何とか支出できる範囲と言えるでしょう。独身女性の場合、防犯上のことを考えて、多少家賃が高くとも安全性を重視したほうが良い場合もあります。
1カ月の消費支出の割合は、両調査をもとにして考えてみると、次のようになります。
40代女性(単身者)の消費支出(1か月)
総務省「2025年家計調査」および不動産流通推進センター「2026不動産統計表」を元に筆者作成
計算の通りであれば、毎月約14万円の黒字。すべて貯蓄にまわすなら年間で168万円になります。貯蓄分は、毎月の家計支出ではまかないきれない支出に使います。たとえば、エアコンや冷蔵庫といった大型家電の購入資金や、旅行、資格試験のための勉強代などが考えられるでしょう。
このような短・中期を見据えた支出の他に、長期の時間軸で考えて、老後のための貯蓄をしておく必要もあります。