はじめに

円高局面で注目したい3つの投資対象

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円高に急速に振れたことで、投資機会として注目したい対象も出てきています。ここからは、具体的な投資対象について見ていきたいと思います。

円高メリット株

株式市場では、すでに円高メリット銘柄への物色がみられます。輸入商品を扱う小売、食品、紙・パルプ、電力・ガス、航空などは、円高によって燃料費や原材料費、商品仕入れ費用の負担が軽くなる可能性があります。

ただし、単純に「円高なら小売株」と決めるのではなく、各社の為替予約、仕入れ通貨、価格転嫁の状況を確認する必要があります。すでに半年から1年先まで為替ヘッジを行っている企業では、円高メリットが業績に表れるまで時間がかかることがあります。

銘柄選びでは、円高感応度に加えて、既存店売上高、原価率、営業利益率、値上げ後の販売数量を確認したいところです。円高はあくまで利益率改善の補助材料であり、本業の競争力が弱い企業まで買う理由にはなりません。

外貨建て資産と為替ヘッジ

また円高が進めば、米国株や海外投資信託をこれから購入する投資家にとっては、同じ円資金でより多くの外貨建て資産を購入できる可能性があります。一方、すでに保有している外貨建て資産は、現地通貨ベースの価格が変わらなくても、円換算評価額が減少します。

為替が大きく振れやすい局面では、底を当てようとせず、購入資金を複数回に分ける方法が現実的です。介入直後の円高を見て一括で海外資産を購入すると、ドル円が再び円高方向へ動いた場合に、短期間で為替差損を抱える可能性があります。

為替変動を抑えたい場合は、為替ヘッジ付きの海外債券ファンドや海外株式ファンドも選択肢になります。ただし、ヘッジコストは日米金利差の影響を受けるため、コスト控除後のリターンを確認する必要があります。

高金利通貨のスワップ投資

高金利通貨のスワップ投資では、介入によって円が急騰し、対象通貨が円に対して急落した局面が投資機会になる可能性があります。より低い価格からポジションを構築できれば、為替差損への耐性が高まるためです。

ただし、介入直後は値動きが極端に大きくなります。高金利通貨は円高局面で一段と売られやすく、スワップ収入の数年分を短期間の為替差損で失うこともあります。レバレッジを抑え、証拠金維持率に十分な余裕を持たせ、一度にポジションを作らないことが前提です。

スワップポイントの高さだけではなく、対象国のインフレ率、実質金利、外貨準備、経常収支、政策の信頼性まで確認する必要があります。「介入で安くなったから買う」ではなく、介入後もその通貨を中長期で保有できるかを判断することが重要です。

ドル円相場と投資判断のまとめ

今回の日米協調介入は、投機的な円売りと急激な円安に強いブレーキをかけました。ただし、介入だけで円安トレンドが持続的に転換したとは、現時点では判断しにくい状況です。

足元では、155円から160円程度を中心とした値動きになりやすいとみています。ただし、これは固定的な予想レンジではなく、原油価格、日米金融政策、米国の経済指標によって、想定レンジから上下に外れる可能性があります。

注目したいのは、円高メリットのある内需株、為替ヘッジ付きの海外資産、円高局面で分割購入する外貨建て資産、十分な証拠金余力を確保したスワップ投資です。ただし、いずれも為替水準だけで判断せず、企業業績や金利、投資商品のコストを確認する必要があります。

介入は相場の流れを一時的に変える強い力を持ちますが、持続的な円高には金融政策の裏付けが必要です。今後は、日銀金融政策決定会合、米国のインフレ指標と雇用統計、米長期金利、原油価格、投機筋のポジション、日米当局の追加発言を確認しながら、複数のシナリオに耐えられるポートフォリオを組むことが重要でしょう。この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

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