はじめに

3. 支払いを「今払うもの」と「相談できるもの」に分ける

災害の規模や被害状況によっては、減免や支払期限の延長、返済猶予といった特別措置が設けられることがあります。例えば、以下のような支払いについて、特別措置が設けられる場合があることを知っておくとよいでしょう。

・公共料金
・税金
・NHK受信料
・保険料
・通信料金
・奨学金
・住宅ローン
・クレジットカード利用代金

特に住宅ローンや各種ローンの返済は、早い段階で金融機関へ相談することが大切です。被災したからといって連絡しないまま返済が止まれば、原則として延滞と見なされます。最悪のケースでは一括返済を求められる恐れがあります。

大切な財産を守るためにも、まずは相談し、「今払う必要があるもの」と「待ってもらえるもの」に分けて考えましょう。

お金の備えは、夫婦で「使い方」を話すことから

被災後は、疲労と不安が積み重なり、とても苦しい状況となります。そのような中、被害状況を記録し、使える制度を調べ、支払いを整理するといった一連の作業を一から始めるのは、とても難しいことと思います。だからこそ、万が一のお金の備えも大切です。

日頃のお金の使い方の細かい部分まで正確に把握していなくても、まずは家庭でどのような財産を持っていて、いざという時にはどのように利用できるのか。こういったことを家族で共有できているだけで、生活再建が必要になった時に道筋を描きやすくなります。

最終的には、夫婦や家族でこれからの暮らしをすりあわせ、必要なアクションを段階を追って判断していくことが、必要になるでしょう。預貯金だけで当面の生活は維持できそうなのか。どのような生活水準とするのが現実的なのか。あきらめないといけないものはあるのか。それでも守りたいものは何か。保険契約の解約や運用資産の売却手続きが必要か。ご家庭ごとに判断結果は違ってきます。

いきなり「もしものとき、お金をどう使う?」と話すのは難しいかもしれません。まずは平時から、「どういうものにお金を使うのが好き?」と聞いてみるなど、日常会話にお金の話を少しずつ取り入れるところから始めてみてはいかがでしょうか。

筆者は日頃夫婦間のお金の話し合いに立ち会うことが多いですが、お金の使い方には価値観が表れるからこそ、夫婦や家族といえどもお金の話し合いは難しいと実感しています。小さな気づきの共有が、もしものときに自分たちで暮らしを立て直していく力になることと思います。

※記載内容は執筆時点(2026年8月)の情報です。制度や法令は変更される場合があります。また、制度の適用状況や自治体独自の支援内容などは、災害や地域によって異なります。実際のご利用にあたっては、お住まいの自治体の窓口や内閣府などの最新情報を必ずご確認ください。

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