はじめに

【記事の要点】
・大学進学費用は使う時期が決まっているため、「減らさない安全性」と「物価上昇への対応」の両立が必要
・返戻率が改善した学資保険と非課税で増やせる新NISAやこどもNISAには各々強みがある
・一方に絞るのではなく、リスク許容度や現状の資産状況に合わせて組み合わせることが成功の鍵

「子どもが生まれたら学資保険」数十年前までは、それが当たり前の選択でした。しかし、今は新NISAの拡充によって、投資も現実的な教育資金の選択肢に加わりました。

「じゃあ、うちはどっちを選べばいいの?」そんな迷いに答えるために、学資保険と新NISA、それぞれの特徴を整理しながら、各家庭の判断基準に合った学費の貯め方を考えていきます。


待ったなし、使う時期が決まっている資金

老後資金であれば、足りなければリタイアの時期を1〜2年ずらしたり、取り崩すペースを調整したりできます。しかし、子どもの大学進学は待ってくれません。子どもが生まれた瞬間に、支出の年がほぼ確定します。足りなければ奨学金を借りる方法もありますが、その前段でも予備校や受験費用など多くの資金が必要になり、それらは待ってはくれません。

おおよそのピークがわかるがゆえに、「減らしたくない」という安全性と、「物価上昇には負けたくない」「そして、できれば増やしたい」という希望を、同時に満たしたくなるのも学費の特徴です。この難しい条件をどう解くかが、学資保険と新NISAを考えるうえでの出発点になります。まずは双方の理解とアップデートをしていきましょう。

学資保険の印象をアップデート

「学資保険は低金利で増えない」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、この認識は少しアップデートが必要です。2026年は市場金利の上昇を受けて各社が料率を改定し、返戻率120%以上を謳う商品も見られるようになりました。かつての低金利時代とは状況が変わってきています。

学資保険最大の強みは、その名の通り「保険」であることです。契約者(多くは親)に万一のことがあった場合、以降の保険料負担なく予定通りの満期金を受け取れる「保険料払込免除」という機能は、投資信託や預金にはありません。

一方で満期金の金額は契約時にほぼ固定されるため、その後に物価が大きく上昇した場合、受け取る金額の実質的な価値は目減りしてしまいます。「減らないこと」は得意でも、「物価上昇に負けないこと」はそれほど得意ではない、というのが学資保険の基本的な性格です。

新NISAだけでなくこどもNISAも

新NISAの最大の強みは、運用益に対し通常なら約20%かかる税金がゼロになる点です。大学入学を視野に子どもが生まれてすぐ0歳のうちから始められれば、おおよそ17年の運用期間を確保できます。

また、かつて子ども名義で運用できたジュニアNISAは2023年で新規受け入れが終了し、現在は親名義の新NISAで教育資金を育てるのが基本の形になっています。しかし、2027年以降、0〜17歳を対象とした「こどもNISA」の導入を検討していると報じられています。

年間投資枠60万円、非課税限度額600万円という案が伝えられており、12歳以降は子どもの同意があれば親権者が資金を引き出せる仕組みも検討されているようです。まだ制度の詳細は確定していない段階のため今すぐ動く必要はありませんが、教育資金専用の非課税制度という新しい選択肢が近く加わる可能性がある、という点は覚えておいて損はありません。

言われがちなメリット・デメリットに惑わされない

学資保険は中途で解約すると元本割れの可能性が高い商品であることを、デメリットに挙げることも多いですし、事実でもあります。では新NISAではどうかというと、やはり下落時に現金化した場合は元本割れの可能性もあります。

さらに、 コツコツ貯蓄できる人が学資保険に合っているといわれることもありますが、つみたてNISAもコツコツ投資となりますから、その度合いは同じです。言われがちなメリット・デメリットにご自身が合っているかを確認する際は、本当にそうかを知っておく必要があります。

また、学資保険には保障が付いているから安心、とよくいわれますが、すでに死亡保障のある生命保険に加入している場合は、その保障で学資保険分もカバーできているかもしれません。保障が重複していないか確認しておくと無駄がありません。

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