はじめに
サイドFIREに向けた5つのアドバイス
最後に、サイドFIREや会社員以外の働き方を選ぶときの、アドバイスをいくつかお伝えします。
1つ目は、社会保険・年金の扱いです。会社員を辞めると、厚生年金から国民年金に、健康保険も国民健康保険や任意継続に切り替わる場合があります。保険料や将来受け取る年金額が変わるため、事前にシミュレーションしておくと安心です。
また、住民税は前年の1月から12月の所得に対して、翌年の6月から支払いが始まります。つまり、FIRE後に会社員だったときの所得に対して住民税の納税通知書が届きます。所得が低くなっているときにのしかかってくるので、事前の準備が必要です。現在の給料明細を確認して、どれくらいの住民税がかかってくるのか、どれくらいの現金を用意しておかなくてはならないのか、把握しておきましょう。
2つ目は、収入が不安定になる期間への備えです。サイドFIREは資産の取り崩しと労働収入の組み合わせですが、新しい働き方が軌道に乗るまでには時間がかかることが多いものです。現金を厚めに持っておくと、精神的な余裕にもつながります。
3つ目は、先ほど触れた住居費です。賃貸は身軽さがメリットですが、収入が変動する時期に固定費の比率が高いと、その分だけ心理的な負担が大きくなります。サイドFIRE後の住まい方も含めて検討しておくと良いでしょう。
4つ目は、健康への投資です。会社員という「守られた環境」を離れると、体調を崩した際の収入減少のリスクが直接的に響いてきます。保険に頼るというよりも、日頃から健康に投資して「働ける自分」という資産を守っていく意識が大切です。
5つ目は、助走期間を作ることです。サイドFIREでよくある失敗パターンは、退職前に新しい仕事の収入基盤をまったく作らないまま会社員を辞め、収入が立ち始めるまで想定より時間がかかってしまうケースです。会社員を続けながら副業やスキルの種まきを始めておくと、退職後の収入の立ち始めがスムーズになります。ご相談者さまの場合、すでに新しい仕事の準備を進めておられるとのことですので、この点は良い準備ができていると思います。
お2人とも、資産形成はしっかりとした土台ができています。あとは、環境変化にあわせて柔軟に計画を見直しながら進めていければ、大きく崩れる心配は少ないと思います。
サイドFIRE実現には家計の把握が欠かせない
5年後のサイドFIREに向けた家計のポイントは以下の4つです。
・負債ゼロ・身軽な賃貸暮らしが、サイドFIREという柔軟な選択を後押ししている
・投資額の「見かけ」と「純増加額」を分けて把握することが大切
・住居費の比率は、サイドFIRE後の必要年収を左右する重要な変数
・具体的な必要年収は、個別のライフプランで精緻化を
今回は、投資について年利5%でシミュレーションしました。「実際はもっと高いですよね?」と思うかもしれません。実際に、利回りが7%や9%になり想定よりも資産が増えることもあると思います。しかし、楽観的に見ていて悲観的な状況になってしまうとなかなか対策は難しいもの。5%という年利としては悲観的な数字をベースにしつつ、実際はどうなったかを確認しながら対策を立てていく視点を持つことが、未来のシミュレーションをするには安全だと思います。
また、総資産としては常にプラスですが、現在の支出を続け、FIREをすると10年後くらいに現金が枯渇します。投資信託を定期的に売却するなど、どのように資産を取り崩していくかということも考えておく必要があります。
最後に、FIRE後の生活を安心・充実して過ごすには、今まで以上に家計をしっかり把握していくことが大切です。何にいくら使っているのか、それは適切なのか、ちゃんと支出をコントロールできているのかにかかっています。
マネーフォワードMeなどを活用して、ライフプランの予算を参考に、毎月の家計をしっかりとコントロールしてください。
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