はじめに

高い分配金=高いリターンではない

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ただし、高い分配金=高いリターンではありません。ここがカバードコールETFを理解するうえで最も重要なポイントです。分配金が高いからといって、投資家が最終的に得られる利益も必ず大きくなるわけではないのです。投資のリターンは、「値上がり益+分配金」で考える必要があります。

カバードコール戦略では、オプションを売る代わりに、株価が大きく上昇したときの値上がり益の一部を手放します。そのため、対象の指数が短期間で大きく上昇するような相場では、指数そのものに投資するETFよりもリターンが低くなる可能性があります。

例えば、NASDAQ100が1年間で20%上昇したとしても、NASDAQ100のカバードコールETFは、NASDAQ100のETFと同じように20%値上がりするとは限らないわけです。それはオプションを売却している分、上昇余地の一部が制限されるからですね。反対に、株価が横ばいで推移するような相場ではどうでしょうか。通常の株式ETFでは株価が上がらなければ、ほとんど値上がり益が得られません。

しかし、カバードコールETFではオプション・プレミアムを受け取れるため、その分だけ収益を積み上げることができます。つまり、「大きな値上がり益の一部を手放して、定期的なインカムを得る」のがカバードコール戦略の基本的な考え方です。

上昇・横ばい・下落相場で異なるカバードコールETFの特徴

もうひとつ誤解しやすいのが、「カバードコールETFなら株価が下がっても大丈夫」という考え方です。これは正しくありません。確かに、オプション・プレミアムを受け取ることで、その分だけ下落を和らげる効果は期待できます。例えば、株式部分が10%下落しても、オプション・プレミアムによる収益が3%あれば、単純化すると下落幅を7%程度に抑える効果が考えられます。ただし、株価そのものが大きく下落すれば、プレミアムだけで損失をすべてカバーすることはできません。NASDAQ100が大幅に下落する局面では、NASDAQ100を原資産とするカバードコールETFも基本的には下落します。元本を守りながら高い分配金が受け取れる商品ではない点には注意が必要です。

相場環境ごとの特徴を整理すると、カバードコールETFが比較的力を発揮しやすいのは、「株価はそれほど上昇しないものの、ボラティリティが高い相場」です。値動きが大きければオプション・プレミアムが高くなる傾向がある一方、株価が横ばいであれば上昇益を大きく放棄する必要もありません。一方で指数そのものが一直線に上昇するような強い上昇相場では、その指数のETFの方が有利になりやすくなります。反対に急落相場では、プレミアムによって多少クッションが効くものの、株式の下落そのものは避けられません。

整理すると、
●強い上昇相場では、通常の株式ETFが有利になりやすい
●横ばい〜緩やかな上昇/下落相場では、オプション・プレミアムが収益に寄与しやすい
●急落相場では、カバードコールETFも大きく下落する可能性がある
という特徴があります。

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