はじめに

分配利回り約10%、2865のフルカバー型戦略

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では、カバードコールETFの具体的な銘柄を見ていきましょう。東京証券取引所で購入できる代表的な商品のひとつ、 Global X Japanの「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」はNASDAQ100指数の構成銘柄を実質的に保有しながら、NASDAQ100指数の1カ月物のコール・オプションを売却する戦略です。

2022年9月に設定され、毎月10日が決算日となっています。2026年9月時点の直近12カ月分配金利回りは約10%前後(算出日や基準価額により変動)です。実質的な運用管理費用は年率0.6275%程度となっています。2865の特徴は、NASDAQ100の保有元本に対して、コール・オプションを基本的に100%相当売却する「フルカバー型」であることです。その分、オプション・プレミアムをしっかり取りにいく設計ですが、NASDAQ100が大きく上昇した場合には、その上昇益を取り込みにくくなります。

そのため2865は、「NASDAQ100の大きな値上がり益を狙う」というより、「NASDAQ100の値動きを利用して、定期的なインカム収益を狙う」という性格が強い商品です。

毎月分配を受け取りたい投資家や、資産形成がある程度進み、「増やす」だけではなく「受け取る」ことを重視したい投資家との相性が比較的良いでしょう。

563Aのデイリーオプションと2865との違い

新しいタイプのカバードコールETFも人気を集めているようです。

2026年4月に東京証券取引所へ上場した「グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF(563A)」は、2865とは少し違った設計です。563Aでは、NASDAQ100を保有しながら、原則として毎営業日、翌営業日が満期となる「デイリーオプション(1DTE)」を売却します。連動を目指す指数は「Nasdaq-100 Daily Covered Call Target Premium 15% Index」で、年率15%程度のオプション・プレミアム獲得を目標とし、そこから逆算して毎営業日のカバー率を調整します。その結果、カバー率はおおむね10%前後になる設計のようです。ここが2865との大きな違いです。

2865では原資産に対してほぼ100%オプションを売却するため、NASDAQ100が上昇した場合の利益をかなり放棄します。一方、563Aではオプションでカバーする割合が10%前後に抑えられているため、残りの部分についてはNASDAQ100の上昇を取り込みやすくなります。

つまり563Aは、「インカムも欲しいけれど、NASDAQ100の成長もある程度取り込みたい」という考え方の商品といえます。NASDAQ100が調整を挟みながら上昇トレンドを続けるような局面では、上昇を取り込みながらインカムも狙うという特徴を生かしやすいETFといえそうです。

2026年9月時点の実質的な運用管理費用は年率0.28%程度となっていて、7月、8月、9月の分配金は100口当たりそれぞれ1,400円、900円、1,000円となっています(分配金は市場環境により変動します)。ただし2026年4月に設定されたばかりなので、長期間の実績がまだない点には注意が必要です。

ここまででNASDAQ100を対象とするカバードコールETFでも、中身によって性格はかなり異なることがお分かりいただけたと思います。

2865は、NASDAQ100の上昇益をある程度手放す代わりに、高いインカムを狙うタイプです。一方、563AはNASDAQ100の上昇への参加をできるだけ残しながら、一定のインカムも狙います。

極端にいえば、2865は「インカム重視型」、563Aは「成長+インカム型」 と考えると理解しやすいでしょう。このようにカバードコールという名前が付いていても、内容によって性格が違うということは覚えておいた方が良いでしょう。またNASDAQ100が大きく上昇すると考えるのであれば、そもそもカバードコールを使わず、通常のNASDAQ100 ETFを保有する選択肢もあります。

一方で、「今後もNASDAQ100は長期的に成長すると考えているものの、一直線に上昇するとは限らない」「ある程度の分配金も受け取りたい」と考えるのであれば、563Aのような部分的なカバードコール戦略が選択肢になります。

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