はじめに

【記事の要点】
・NISAの金融機関変更で移せるのは「これからどこで買うか」だけ。保有商品は移せない
・今年すでにNISAで買付をした人が変更できるのは「来年分」から。受付開始は10月1日
・積立の解除漏れで年明けに買付が起きると、変更は1年先送りになる

「今の金融機関では買いたい商品の取り扱いがない」「手数料の安い金融機関に移したい」――NISAの金融機関変更を考える理由はさまざまです。ただ、この手続きは「口座の引っ越し」という言葉から想像するものとは、だいぶ様子が違います。

本記事では、金融機関変更のルールと手続き、そして変更後に待っている注意点を整理します。


NISAで動かせるのは「これからどこで買うか」

特定口座や一般口座であれば、保有する株式や投資信託を売却せずに別の金融機関へ移す「移管」ができます。ところがNISAには、保有商品を非課税のまま他社へ移す仕組みが制度上存在しません。

ではNISAの金融機関変更で何が動くのか。答えは「これから投資する非課税枠(NISA枠)を、どの金融機関に置くか」という指定だけです。

整理すると、まずA証券で保有している商品はそのまま非課税で持ち続けるか、売却するかの二択です。B証券への変更手続きが完了したあとは、B証券にて非課税枠を使って商品を購入できる、ということになります。

このようになる理由は、NISA口座は全金融機関を通じて1人1口座と定められているからです。ただし、年単位でNISA口座を設定する金融機関を切り替えることだけは許されています。たとえば、2026年はA証券でNISA口座を利用し、2027年はB証券へ変更することは可能ですが、過去に購入した保有商品をB証券へ移すことはできません。

この大前提を押さえたうえで、手続きの中身を見ていきましょう。

今年すでに買付した人は「来年分」から――受付開始は10月1日

変更できるタイミングは、「今年、NISA口座で一度でも買付をしたかどうか」で分かれます。

今年まだ一度も買付をしていない人は、9月30日までに手続きを終えれば、新しい金融機関で、今年分のNISA枠を使って商品を購入できます。ただし手続きには2週間〜1か月かかり、金融機関の書類締切は9月中旬頃に設定されているため、それまでに手続きをする必要があります。

今年すでに買付をした人が変更できるのは「来年分」から。その受付が始まるのが10月1日です。手続き完了後、新しい金融機関での取引は来年1月1日以降にスタートします。

手続きは二段階。所要2週間〜1か月

現在の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出すると、「勘定廃止通知書」が交付されます。

次に、この通知書を変更先の金融機関に「非課税口座開設届出書」やマイナンバー確認書類とともに提出します。提出後は審査を経て、完了の通知が届いてはじめて手続きが完了します。

この二段階を通した所要期間は、標準で2週間〜1か月程度です。通知書が郵送でしか受け取れない金融機関や、書類に不備があった場合はさらに延びます。「来年1月から新しい金融機関で」と考えているなら、11月中には手続きを始めると安心です。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]