はじめに

長期金利5%時代の高配当株の評価

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高配当株を見る際にも考え方を少し変える必要があります。

相対的に安全性の高い国債で高い利回りが得られるようになると、リスクのある株式に対して投資家が要求するリターンも高くなります。低金利の時代には配当利回り4%の株が魅力的に見えても、長期金利が5%前後まで上昇すれば、配当利回りだけでは十分な投資理由になりにくくなります。

重要なのは、現在何%の配当を出しているかだけではありません。利益やフリーキャッシュフローが伸びているか、配当を無理なく賄えているか、増配を続けられる余地があるかまで見る必要があります。特に注意したいのが、利益以上の配当を続けていたり、借入金を増やしながら株主還元を行っていたりする企業です。高金利になるほど、こうした財務戦略の持続性は低下しやすくなります。

金利上昇への耐性を左右する財務体質と借入条件

そして、金利上昇局面では損益計算書だけでなく、貸借対照表とキャッシュフロー計算書を見る重要性が高まります。同じ営業利益100億円の企業でも、多額の有利子負債を抱える企業と、実質無借金で豊富な現預金を持つ企業では、金利上昇による影響は大きく異なります。

有利子負債の金額、ネットD/Eレシオ、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー、インタレスト・カバレッジ・レシオなどを確認します。

さらに、借入金が固定金利なのか変動金利なのか、いつ借り換えを迎えるのかも重要です。現在の支払金利が低くても、今後数年間に借り換えが集中していれば、その時点で支払利息が大きく増える可能性があります。

日銀の利上げと日本企業の資金調達環境

日本企業にとっても、この変化は無視できません。日銀は2026年9月の金融政策決定会合で政策金利を1.00%程度から1.25%程度へ引き上げ、約31年ぶりの高い水準となりました。日本の10年国債利回りも3%台まで上昇しています。

長く続いた超低金利を前提に経営してきた日本企業にとって、これは資金調達環境の大きな変化です。実際、2026年夏の企業調査では、日銀によるこれまでの利上げについて、約半数の企業が何らかのマイナスの影響を感じているとの結果も出ています。支払利息の増加だけでなく、設備投資判断への影響も出始めています。

一方で、すべての企業が設備投資を止めているわけではありません。成長分野を中心に投資意欲は残っています。ここでも重要になるのが、「資金調達コストが上がっても、それ以上のリターンを生み出せる投資なのか」という視点です。

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