はじめに
為替だけではない。米国債を買う前に知っておきたい3つのリスク
1.価格変動リスク
「満期まで持てば額面金額が戻る」という話には、「満期まで保有する」という条件があります。
米国債を途中で売却する場合は、その時点の市場価格で売ることになります。一般に市場金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がります。特に満期までの期間が長い債券ほど、金利変動の影響を受けやすくなります。急にお金が必要になり、満期前に売却すると、元本割れとなるリスクがあります。
2.信用リスク
債券には、発行体が利子や元本を約束どおり支払えなくなる「信用リスク」があります。米国債は米国政府が発行する信用力の高い債券ですが、「米国だからリスクはゼロ」という意味ではありません。
実際、大手格付け会社Moody’sは2025年5月、米国の長期信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」へ1段階引き下げました。米国債であっても、発行体の財政状況や信用力を確認する視点は持っておきたいところです。
3.カントリーリスク
国全体の政治・経済・財政状況や政策変更などによって、金利や債券価格、為替相場が大きく動く可能性があります。
信用リスクが「発行体が約束どおり支払えるか」というリスクなら、カントリーリスクは「その国を取り巻く環境そのものが投資に与える影響」と考えると分かりやすいでしょう。「国債だから安心」の一言だけで判断せず、どのようなリスクがあるのかを理解したうえで選ぶことが大切です。
「利回り5%」より先に考えたい。その100万円は何のため?
「投資は怖いので、できれば元本を減らしたくありません」と相談を受けることがあります。そんなときに確認したいのは、そのお金を「いつ、何に使うのか」です。
たとえば、3年後に子どもの進学費用として日本円で使う100万円なら、必要なタイミングで円高になり、円換算した金額が減っていては困るでしょう。
一方、長期間使う予定がなく、資産の一部を米ドルで保有したいという目的であれば、米国債が選択肢になることもあります。
また、満期まで本当に使わないお金なのかも大切です。途中で売却すれば、為替だけではなく債券価格の影響も受けます。預金、個人向け国債、NISAを活用した投資、米国債。どれが一番優れているというものではなく、それぞれ役割もリスクも異なります。
年5%という数字は確かに魅力的です。でも、その100万円は、何のためのお金でしょうか。大切なのは、「利回りが高いから」で選ぶのではなく、そのお金を「いつ」「何のために」「どの通貨で」使うのかを考えることです。まずはお金の役割から考えてみましょう。
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