はじめに
JRの電車の車内や駅のポスター・パンフレットなどで、「デスティネーションキャンペーン」という文字を目にしたことがあるかと思います。
これはJRグループ旅客6社と年度・期間ごとに指定されたエリアの自治体や地元の観光事業者などが一体となって実施する大型観光キャンペーンです。1978年11月に当時の国鉄と和歌山県が実施した「きらめく紀州路」キャンペーンが始まりで、近年は年4回ほど全国各地を舞台に開催されています。
今回はこのキャンペーンの魅力とおトクな情報について紹介します。
デスティネーションキャンペーンの魅力
JRグループ旅客6社と地元の自治体や観光事業者などが総力をあげて企画するため、ジョイフルトレインを使用した臨時列車やお得なフリーきっぷの設定、JR駅からのバスや観光タクシーなど二次交通の充実、多彩な特別イベントの実施など、指定エリアを120%楽しめるのがこのキャンペーンの魅力です。
2018年度の4月1日~6月30日は栃木県を舞台として、「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーンが開催されていますが、これは1999年の開催以来19年ぶり2回目となります。今回は幻想的な美しさで人々を魅了する「足利の大藤」に代表される『花』、生産量日本一を誇る「苺」や「宇都宮餃子」の『食』、関東最多のおよそ600の源泉を有する『温泉』、日光国立公園をはじめとする美しい『自然』、世界遺産「日光の社寺」に代表される『歴史・文化』という5つのテーマを切り口に、「本物の出会い」を体感できる旅を提案。
これにあわせ、期間中は臨時列車の運転やおトクなきっぷの設定など、栃木県の旅をおトクに満喫できるアイテムが勢揃いしています。
SL列車やジョイフルトレインを運転
昨年夏から運転を開始した東武鬼怒川線下今市駅~鬼怒川温泉駅間を結ぶ「SL大樹」や、JR水戸線下館駅と茂木駅を結ぶ真岡鐵道の「SLもおか」など、栃木県内には年間を通じて定期的に運転されるSL列車があります。
東武鬼怒川線下今市駅~鬼怒川温泉駅間を結ぶSL大樹
キャンペーン期間中の5月19日には、両毛線小山駅~足利駅間で旧型客車を使用したSL列車「SL本物の出会い栃木号」(旅行商品として発売)が運転されるなど、SL列車を満喫できるシーンが多くなります。
また、2+1席配置のリクライニングシートを装備した「リゾートやまどり」車両を使用し、5月1・2日に大宮駅~足利駅間に快速「ナイト藤まつり号」、5月19・20日に新習志野駅~黒磯駅間に快速「リゾート那須野満喫号」、6月2・3日には八王子駅~黒磯駅間に快速「リゾート那須野満喫号」が運転されます。普通乗車券+指定席券(大人520円)で乗車できる臨時快速列車で、いつもとはひと味違うゆったり感覚で栃木への旅が楽しめます。